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水難事故の対処法 【海編】

 
2011-08-15 12:45 Good(1) Comments(0)
in Free Talk - フリートーク, Travel - 観光

川での水難事故のことに続いて、ここでは海での水難事故に遭遇した時のことを書く。

海水浴の時期に毎年流れる水難事故のニュースの中には、『少しだけ冷静であれば…』と感じるものがあり、とても痛ましく思う。

僕も日本の川とブラジルの海で水難事故に遭っているが、こうやって今も元気にしている。僕がどうやって助かったのか。その時の体験を書くので、頭の片隅に残しておいていざと言う時に役立ててもらえると嬉しい。

ブラジルのバイーア州にあるサルバドールという町に住んでいた頃、そこから近いビーチで溺れた時のこと。

ブラジルのビーチは引き波がとても強いところがある。この時僕が居た場所もそんな所だった。

そのバイーアのビーチは、砂浜が急にえぐれる感じで海に入り込んでいるような所だった。こちらに向かってくる波は、そんなに強いようには見えない。だが、ある一線を越えるとグイッと引っ張られ岸に戻れなくなる。

まだブラジルの引き波の強さを聞いた話でしか知らなかった僕は、『岸に近いところで戻れないなんて本当にあるの?』とたかをくくっていた。

ちょっと危ないラインに入りかかっていたけど、気付かずにまだ特に大したこともないなと思っていたところ。だから遊び感覚で一緒にいた集団の中から女の子を一人半ば強引に海に入れてしまった。

でもその勢いでフッっと一線を越えてしまったようだ。『あれっ!?』って思った。

わずか2,3メートルの話。そんな近いすぐ目の前にある岸の方へ行こうとしても近づけない。沖へ引っ張られる。それだけならまだしも、同時に下にも引っ張られる。

息継ぎで海面に頭を出そうと立ち泳ぎをするが、下にも引っ張られているためかなり必死に立ち泳ぎしないと頭を出せない。

一緒に居た女の子はジタバタしてアップアップしている。もはや溺れている状態なのがよく分かった。まずい。

普通に泳いでいたら岸にたどり着けないと分かった。ずっとこうやって立ち泳ぎしていて足も手も疲れてきた。とりあえずこの女の子だけでも岸に上げないと、100%僕のせいだから何かあった時死んでも死にきれない。

一旦下へ潜った。底まで2メートルぐらい。ぎりぎり足が着かないもどかしい深さ。底から押し波に合わせてその女の子を押した。彼女はこれでなんとか岸に上がれた。その姿を確認して、これで一安心だと思ってほっとしたのをよく覚えている。僕はまだ必死に立ち泳ぎでアップアップしている。

さて次は自分だ。どうしよう。

もう普通に泳いでいたら絶対にたどり着けないことはよく分かった。で思いついたのが海底から這いつくばって上陸する作戦。

息を吸って下に潜った。底に着いて両手で海底を掴んで必死に引き波に抵抗した。この時本当に引き波の強さを体全体で感じられた。そして、この中を前進するのは無理だとすぐに分かった。

上もダメ、下もダメ、でもこんな所で自爆は嫌だ。まだリオにも行ってないのに!!

前に進めないなら、もうここから海底を蹴ってジャンプするしか無いと思った。落ち着いて押し波にタイミングを合わせた。これでダメならもうダメだ。

ピョーーーーーーーーン
って、そんな感じに跳べるわけないんだけど、それでも戻れなくなる一線を越えることができた。それでなんとか無事に砂浜に上がれた。

この時無事でいられたのは、【押してもだめなら引いてみろ】が出来たからだと思う。強い引き波で浮いていられないから、一旦下に潜る。勢いをつけて一気に飛び出る。何も無い水中を蹴るより砂地とはいえ地面を蹴ったほうが断然勢いを付けられる。

それと、むやみに息継ぎをしようとしなかったこと。人間は動いていたって軽く10秒は息を止めていられるはず。にも関わらずとりあえず息ができる状態にならなくちゃと思うから焦る。息を吸えないのに吸いたいと思うから焦ってパニックになる。本来まだまだ十分に息を止めていられるはずなのに。

助かるまでに途中限界にきた足を休めるために、息を止めて引き込まれるがままに潜って体を休めることを何度かやっていた。

あと何秒ぐらいは大丈夫と、その時冷静に考えられていたから、その時間の中で出来る事を区切っていろんな対処が出来た。

やっぱり川での水難事故の時と同様に、ここでも『出来ない事を無理矢理やろうとしない』ことが全てを良い方向に進められた要因だった。

この事をちょろっと頭の片隅にでも置いておいて欲しい。折角のレジャーは、楽しい思い出にしたい。


それにしてもその女の子にはとても悪いことをしたが(ごめんね!)、お互い無事でよかったし、ここで死んでたら、たぶんバイーアの空港で僕を助けてくれたTatoもずっこけただろうな。いやいやよかったよかった(笑)。

最後に、ブラジルの海は本当に引きが強い。男の僕でもこうやって戻れなくなることがある。なんというか、波が上から下へ巻き込みながら沖へ引いていくような感じだから、浮くことすらままならない。実際にリオのビーチでも海底を転がるように巻き込まれていって、ぎりぎりのところでレスキューされた日本人の男の子も居た。本当に危険だから、僕みたいにたかをくくることなく、注意を払うべきところにはきちんと注意を払って欲しい。そうすればきっと楽しいビーチになるから。



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