のんびりのんびりのっそのっそしてるキリンは可愛くて見ていて楽しい。動物園の中でも安定して注目を集め続けているように見える。

上野動物園のキリンはたまに柵の間から首を出す。お客さんからするとキリンの顔をより近くで見ることが出来て嬉しいんだけど、以前、それが危ないと感じたことがある。

去年の11月に上野動物園に行ったときのこと。

キリンが柵の隙間からニョキっと首を出してきた。

お客さんはキリンの首の長さを目の当たりにし、また、柵越しよりも更に近寄ってキリンを見ることができたことに単純に驚き喜んでいた。

さて、ここからが問題。

首をひっこめようとしたキリン・・・・。

頭がつっかかって通らない。『入れたけど出られない』という状態になってしまった。

向きを変えてみるものの、ツノが柵の上部にひっかかってしまい、抜け出られない。

このへんまではお客さんもほぼ全員が愛くるしい動きに感じて笑っていたんだけど、このあたりから不穏な空気が流れ始める。

抜く方向を変えてみるキリン。やっぱりツノがひっかかって抜けない。

押してもダメなら引いてみろとはよく言うけど、この場合は引いてもダメなら押してみろってことなんだけど、キリンにそんなアイディアは思いつかないみたい。ツノがひっかかってるのに、グイグイと力ずくで引っこ抜こうとしている。

このへんからキリンが苦しい雰囲気になってきて、お客さんもそれを察知しはじめて、『え…、まさか、抜けないなんてこと・・・・』、『ちょっと危なくないか・・・・？』という雰囲気のざわめきと、『ガンバレガンバレ』という純粋に応援しているざわめきとがグチャグチャになった。

僕は危ないと思った。なぜなら、物音とかカラスが飛んでくるとか突発的なきっかけでキリンが驚いてパニックになったら、首がポキっといくか、窒息するか、そういう大事故に繋がりそうに見えたから。

それでもようやく二本のツノを上手く柵の間に入れることができた。

そしてやっとの思いで頭が抜けた。この間約2分！

この瞬間、固唾を呑んで見守っていたお客さんたちからは拍手喝采。笑い無し。命が助かってよかったという歓喜で溢れていた。

そんなわけで、

この柵、危ない！！

僕にはそう見えるんだけど、これはこれでＯＫっていう柵の設計なのか、動物の飼育管理的に問題ないのか、そんな事言ってたらきりないよっていう類の問題なのか、何なのか。

先日久しぶりに行った時に見たら、まだ柵は同じ状態だった。4ヶ月以上経ってもそのままってことは、動物の飼育の素人の僕からは問題大有りな危険な柵に見えるんだけど、専門の人から見たら全く問題無い安全な柵なのかもしれない。

柵の上の横棒、取っ払った方がいいと思うよ。

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