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ナミアゲハの幼虫の成長 : 終齢幼虫から前蛹へ

 
2012-06-10 11:35 Good(55) Comments(0)
in Animals - 動物
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

昨日、ナミアゲハの幼虫が孵化してから14日目のこと、午後から大きな動きがあった。

昨日の段階では、Aは落下事故、Bは行方不明、というところまで書いた。その後、午後4時近くに、Aがサイパンレモンの木を降りて、そのプランターの淵を歩くという行動を見せた。

また落ちた?!

と思ったけど、それまでAがいた場所は、プランターの枠より外に広がる枝の部分だったから、もし落ちたんだとしたら、プランターより外に落ちているはず。ということで、自分で歩いてサイパンレモンの木を下りたんだと分かった。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

特に命の危険がせまっているようには見えなかったから、すぐに木の上に戻さず、そのまま歩いているところを見ていた。

グルグルグルグルと正方形のプランターの淵を歩き続けている。2周、3周、と回り続ける。たまに立ち止まってはプランターの下側を覗き、また淵を歩き出す。

なんかおかしいな!

そう思ってナミアゲハの行動を調べてみたら、

『蛹(さなぎ)になる直前に、大移動をする』

ということが分かった。

それだ!!

このAは幼虫の段階では最終形態の終齢。この後は蛹へと変化する。この個体が孵化してから9日目に体全体が緑色に変化してから、『いつ蛹になるのか?』と気に掛けていた。

ようやくその日が来た!


ナミアゲハの幼虫が蛹に変わろうと行動を起こす目印は、『下痢状の便』をすること。正午ごろに見たときに、サイパンレモンの木の葉っぱの一枚に、丁度Aが止まっている下に位置する葉っぱに、水っぽい下痢便があるのに気づいていた。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

その時は蛹になる時の正常な工程だと知らなかったから、『どこか体調悪いのか?今朝、砂利の上で雨に打たれていたからお腹壊したのか?』なんて心配していた。

でもそんな心配は必要なく、逆に喜ぶべき状態。


さて、Aはいったいいつ頃からプランターの淵を歩き回っていたのか?下痢便を発見したのは正午頃、歩いている所を発見したのは午後4時頃。もしお昼すぎから歩き始めているとしたら、いったいプランターの淵を何週したことか?(笑)

この終齢幼虫が蛹に成る時の大移動は、無防備な蛹の状態を出来るだけ安全に過ごせる最適な場所を見つけるためのもの。だから自分が幼虫時代を過ごした柑橘系の木以外のところで蛹になることが多いみたい。

どうりで子供の頃、自然の中でアゲハ蝶の蛹を一度も見つけられなかったわけだ。散々外で遊んでたのに、虫大好きだったのに、カマキリ、バッタ、ヘビ、カエル、カブトムシ、あれこれ手当たり次第に捕まえてたのに、アゲハ蝶の蛹を見付けた記憶はない。

納得。

で、そのままAが歩き回っているのを見ていて、プランターからは下りられないし、いままで居た木に戻る気配も見せない。これじゃ蛹になる場所を見つけられないということで、プランターの淵に沿って割り箸を立ててみた。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

次、ここを通った時に、この割り箸に気が付いて登ってそこで蛹になったらいいと思ったんだけど・・・・。

スルー。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

ちょっと振り返ったりして割り箸を気にしている仕草を見せるものの、スルー。登って蛹になる場所として相応しいかどうかを確かめるまでもなく通り過ぎる。

だけどチャンスはまだある。だってずっとプランターの淵をグルグル回ってるんだから。そして、グルっと1周して、、、、またスルー。

これじゃいつまで経っても蛹になるところを観察することが出来ない!

ということで、2本、3本と割り箸を増やしていった。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

最終的に枯れ枝や枯れ草まで持ち出した。これだけ棒があれば、どれかには登る。その読み通り、何本かの割り箸に登ったり下りたりした。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

だけど、どれも気に入らない様子。

それより、Aはプランターの下、外の世界が気になっているみたい。

時間が経つにつれ、プランターの下を覗き込む回数が増えてきた。そして淵の横側を歩くこともでてきた。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

そういう状態が増えてからは、プランターから落下する事故が何度も起きるようになった。このプランターは、糸が外れやすいみたいで、しがみ付いていた糸が幼虫の体重で外れてしまって、体がガクンッと下にずれる場面がよく見られた。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

プランターの高さは20cmぐらいと低く、落ちても怪我をするような状況じゃないけど、落下する幼虫を見ているのはこっちとしては気が気じゃない。

その度に葉っぱに乗せてプランターの土の上に戻す。これを何度も何度も繰り返した。

絶えず誰かの目が届くようにしながら、4時間以上が経過した。もう夜の8時を回っている。辺りは暗い。気温も低くなってきたし、外は雨が降っているから一層肌寒さを感じる。

ということで、割り箸と一緒に水槽に入れて、部屋の中で観察することにした。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

以前、アマゾン河出身の魚コリドラスや、日本のメダカなどを飼っていた水槽に、アクアグッズの土管を利用して割り箸を立てた。そこにAを乗せた。

これなら、万が一割り箸から落ちても、水槽の中だから安心。

割り箸に乗せたら、Aはすぐに割り箸のてっぺん目指して登り、様子を見てまた下りた。下りたんだけど、下まで下りたんじゃなくて、割り箸の途中まで下りて、そこから体を反転させてまた登る、ということを何度か繰り返した。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

入念に下調べをしている様子。

そうして、割り箸の上の方で、多くの糸を吐き出すようになった。

やった!!

やっと気に入ったみたい。ここで蛹になることを決めたんだ。もう夜9時だよ。

大移動を始めてから場所を決めるのに5時間半掛かった!

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

割り箸にハサミで沢山の傷を付けて掴まりやすいようにしたのが良かったのかもしれない。

ナミアゲハの幼虫は、しがみ付く足の力はあまり強くないみたいで、そのための補助として糸を吐いて足場を作りそこを歩く、という行動をとる。それがあるから壁も登れるし、ツルツルの葉っぱの上も歩けるんだけど、遠目で見ているとそれには気づきにくいから、強力な吸盤か脚力だけで歩いているのかと勘違いしてしまう。

ある程度、蛹になる場所を決めたころ、急に体が縮んだ。

今までは35mmあった体が28mmになり、ずんぐりした格好になった。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

けっこう広範囲に渡って糸を敷き詰めている様子。やがてその一箇所に後ろ足を固定する。

お尻をグイグイ押し付けるように、何度も何度も擦りつけながら一番後ろの足を割り箸に接着した。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

足場が固まり、ようやく帯糸の準備にかかる。

これを楽しみにしていた。ナミアゲハの幼虫の帯糸くぐりを見たい。

割り箸の左右に糸を張り巡らしている。6本の前足にはそれぞれ糸を持っている。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

ところが・・・・

なかなか帯糸を作らない。なにやら手元で糸をゴチャゴチャ遊ばせている。

ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae

少し糸をこねくり回しては、ピタっと動きをとめて休憩。これの繰り返し。

そうこうしているうちに、場所を決めてから3時間近く経ち、もう夜12時近い。

もう無理、眠い(笑)。

見ていられない。ということで、寝た。

足場が糸でしっかり接着されているから、落っこちることはないだろうと思って、そのまま放置して寝ることにした。

・・・・

・・・

・・

なんのお告げか、、、、気になっているからか、、、、12時に寝たのに3時半に目が覚めた。

一も二もなく幼虫を見に行った。

ああ!そんな!!

幼虫がひっくり返ってる!!!!

ナミアゲハの前蛹 - The japanese swallowtail butterfly prepupae
ナミアゲハの前蛹 - The japanese swallowtail butterfly prepupae

蛹化に失敗して死んじゃったのか?!とドキドキしながら幼虫を見ていたら、ピクピクっと動いた!!良かった!生きてる!

どうやら体を支える帯糸を上手に作れなかったみたい。

苦労した跡。割り箸には糸がグチャグチャに絡み付いている・・・・(涙)。

ナミアゲハの前蛹 - The japanese swallowtail butterfly prepupae
ナミアゲハの前蛹 - The japanese swallowtail butterfly prepupae

なんて不器用なやつ!!

ちゃんと硬い蛹になっているならちょっとぐらいの体勢の崩れがあっても大丈夫かもしれないけど、この幼虫はまだ蛹になる前の前蛹という状態。活発に動き回ることはないけど、ピクピクっと体を振るわせることはする。

おそらく、帯糸をちゃんと作れていない状態で前蛹になってしまい、後ろ足が離れてしまって、お尻だけでぶら下がる格好になってしまったんだろう。

帯糸を作ってやればいいんじゃないかな?

ってことで早速、応急処置を試みる。

柔らかい刺繍糸で帯糸のような輪っかを作って、割り箸と前蛹の幼虫をくぐらせて、上体が丁度良いところまで起きるように輪っかを締めていった。

前蛹の状態はまだ柔らかくデリケートな感じがするから、こんな感じで仮止めという状態にしておいた。しっかり硬い蛹になったら紐を割り箸に接着するなどして、しっかりと固定するつもり。

ちょっと斜めに傾いてはいるけど、顔面が割り箸に当たるか当たらないかぐらいのところで、これで良いと思う。

ナミアゲハの前蛹 - The japanese swallowtail butterfly prepupae
ナミアゲハの前蛹 - The japanese swallowtail butterfly prepupae

人工の帯糸はちょっと頼りないかもしれないけど、このまま順調に蛹になって欲しい。

こんな感じであわただしく、孵化から15日目の今日、昨日から今日に掛けて、幼虫は前蛹になった。

この状態で前蛹から蛹になるのを見守る。


前蛹から蛹へ

孵化から14日目



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おまけ。

ナミアゲハの幼虫が蛹になる場所として好むのは、『ある程度の高さ』が条件かもしれない。

何本も割り箸を差したわけだけど、一本の割り箸には、登ってもすぐ下りてしまうのに対し、二本を縦に繋げて長くした割り箸には長い時間下調べをしていた。

そして、三本繋げた割り箸には、一発で気に入って、そこで蛹になる準備を始めた。

虫かごの中みたいに密閉された場所じゃなければ、ある程度登ったところが、気に入る条件の一つかもしれない。


おまけ2。

何時間も大移動をしている途中、体が段々細くなってきているように見えた。凄い体力を消耗しているのかもしれない。

それと、白い斑紋や頭頂部あたりがうっすら赤茶色に変わってくる。消耗の表れか、蛹化が徐々に進んでいっているのか、分からないけど、たぶん探索時間にはタイムリミットがあるんだろう。

ナミアゲハの幼虫の行動は、常に命懸けだ。

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