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謎の呪文、『Fが押さえられないから、ギターを挫折した』って、最初に言い出したのは誰?!

 
2012-03-08 18:35 Good(47) Comments(0)
in Violão - ヴィオロン, How to - ハウツー
Fコードフォーム - F Chord Form
Fコードフォーム - F Chord Form

Fのコードが押さえられなくて、ギターを挫折したなぁ・・・

このセリフ、誰が最初に言い始めたんだか知らないけど、とても蔓延してる。昔ギターをやったことがある人が言っているのを度々聞く。まるで『このFのコードを押さえられないと、ギターは弾けないものなんだ』というような雰囲気をかもし出しながら言うから理解できない。

僕はいつも『なぜ?』と問う。

僕だって上手く押さえられないコードはあるけど、未だにギターを弾いている。しかも押さえられないコードなんて一つどころじゃない。いくつもある。

例えば、僕は手が小さいから、実用的なコードだと下の写真のが限界。これ以上のストレッチになると、音が歪む。コントロール出来なくなってくる。

GMaj7コードフォーム - GMaj7 Chord Form
GMaj7コードフォーム - GMaj7 Chord Form

オレンジ色の丸の部分が特に辛いポイント。このフォームだと、小指で3本押さえているところが特に辛い。

これは僕の曲『Aperto de Mão』で出てくるコードフォームで、全体的にアップテンポな曲なんだけど、この部分はリズムチェンジでゆっくり弾くところだから、なおキツイ。ゆったり弾いているようで内心は筋肉プルプルきてる(笑)。

また、ストレッチじゃないコードフォームでも苦労するものもある。

Emin7コードフォーム - EMin7 Chord Form
Emin7コードフォーム - EMin7 Chord Form

僕の曲『Minha Pipoquinha』の中で何度も出てくるフォームで、写真じゃ分かりにくいけど弦を押さえている指は人差し指と薬指だけ。



これ一見すると何が難しいのか理解できないと思う。このコードを押さえている時に僕が苦労しているのは、オレンジ色の丸の部分、2弦を押さえる部分が指の第一関節と第二関節の間、第二関節よりに当たるため、思うように力を入れられないということ。

この部分て、関節から急に指が細くなるところで、指の中では出っ張っている関節との高低差が一番激しくて溝になっている部分。そのへこんでいる部分にまでしっかり力を伝えようとすると、そこより出っ張っている関節部分を押しつぶすほどの力をかけないといけない。

しかもこの2弦の部分、メロディの音を担当しているからたちが悪い。本当は軽くスライドを混ぜたいんだけど、それをやると9割方、メロディラインの音を出し損じるという失敗をするからおとなしく普通に弾いている。


指の形、骨格、筋肉の付き方、脂肪の付き方、皮膚の強さ、体の形は人それぞれだから、演奏者によって得意なフォームや苦手なフォームに違いが出てくるのは当然。出来ないことは、おいおい時間を掛けて習得するなり、代わりになる何か別の方法を考えて対処すればいい。だから『Fコードが押さえられないから』といって『ギターをやめる』というのは、とても早まった行為に思える。

『Fが押さえられないから、ギターを挫折した』という人にこの疑問をぶつけても、『いやぁー、あれはどうしても出来なかったんだよなぁ・・・』というような答えになってない答えが返ってくるだけ。だから分からない。


Fが押さえられなければ、押さえなければいい。ただそれだけ。Fを構成する6つの音を全部ださなくてもいい。2つでも3つでも出せるだけ出す格好で続ければいい。とりあえず一曲通して弾けることが大事だから。

初心者のうちに、一箇所にこだわってギターそのものをやめてしまうなんてもったいない。部分部分のクオリティは低くたって、一曲通して弾けるととても楽しくなる。それを味わう前にやめてしまうのは、本当にもったいない。

僕が気になるのは、この事で『ギターは最初の方でとんでもなく高いハードルがあって難しいものなんだ』と勘違いして、これから始めようかと思っていた人が二の足を踏んでしまうこと。

ギター好きな僕としては、ギター人口が増えて欲しいから。こういう誤解を持たれるのは残念。もっと気楽に誰もが好きにやっていいものだ。

だからこんな謎の呪文は無視して、

ギターやろう!!



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おまけ。

この問題のFコードの押さえ方について。押さえられなくて困っている人は、たぶん、入れる必要の無いところにまで力を入れているから、上手く押さえられないのかもしれない。

特に人差し指。この指は、6本全部の弦にまたがっているからといって、全部の弦を押さえるように力を入れる必要はない。人差し指が押さえている弦は、1弦、2弦、6弦の三本だけ。3弦は中指、4弦は小指、5弦は薬指が押さえているから、その部分の人差し指に力をいれても意味が無い。だから、その1、2、6弦にだけ力を入れるように注意すると楽に押さえられる。

Fコードフォーム - F Chord Form
Fコードフォーム - F Chord Form

オレンジ色の丸の部分二箇所に力を入れればいいだけで、緑色の丸の部分は弦に触れている程度で良い。緑色の部分にまで力を入れると、人差し指全体に力を入れることになり、これは男性の握力でも押さえるのが辛くなる。

それでも女性は力が無くて難しい場合があるかもしれない。そういう場合はちょっとした裏技がある。

ギターは左手の握力で押さえるのが基本だけど、力が弱い場合や、力を入れにくい場合や、演奏途中で力尽きそうな場合は、背筋の力で押さえるという方法もある。

ボディをホールドしている右腕全体と、指板を押さえている左手で、ギターを自分の体へグイッと引き寄せて体(お腹の部分)に押し当てるように力を入れる。左腕は脇を締めるような方向に力を入れるように意識する。その力を利用してコードを押さえる。

けどこれは、あくまで補助的な目的で使う方法。あまり力を入れすぎると、音が全体的にグニャーンと上がっちゃうから気をつける必要がある。

上手く左手の握力を補助する感じで使うと便利。僕は辛くなった時に使っている。

さて、Fコードを押さえられない場合の対処法。問題点がマッチした人の参考になれば嬉しい。

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