いくつか演奏動画を収録する中で、その音をどう収めるかで映像の見え方が変わってくるところが面白くてあれこれいじっている。

まずは、ヤマハのサイレントギターを使っての音の比較を見て欲しい。

音量は動画の最初に「サー」というノイズ音が聞こえるぐらいまで上げて欲しい。そうすると違いが分かりやすい。

Camera Mic [カメラマイク]

デジタルカメラに内臓されている外部音声録音用のマイクで録音した音。

これだけで狙った音が録れるなら手軽で最高なんだけど、カメラレンズの画角の問題とギターとの距離とスピーカーとの距離の問題が混在するため、今のところ上手いこと出来ていない。

カメラには映すという本来の目的に専念させて、それで録った音はレコーディングでいうオフマイク的な役割として使えるから、そのために録音も適正なレベルで入るようにしている。

「サー」というノイズとぺっちゃんこな音だけど、何を目的とする音作りかによってこれも立派な素材になる。

レンズの画角を気にしなければ、自分とスピーカーとカメラの位置を変えての音作りを楽しめる。けっこう楽しいんだこれ。

Mic [マイク]

普通にレコーディングで使うマイクから録音した音。

当たり前だけど、デジカメの内臓マイクよりはノイズレスで艶やかで立体的な音が録れる。

ここではギターの方に向けて、主にギターの弦を弾くビチビチ感を録り、マイクの後方で鳴っているスピーカーの音を箱の鳴りの一部として全体的な空間の音を押さえるのが目的。

Line [ライン]

外部の雑音は一切無い音。逆にそれがネックでもあって、サイレントギターはクラシックギターのようにそれ単体で空間を作り出すことが出来なくて、そういう説得力は皆無な楽器だから、ライン録りの音をメインにするわけだけど、それだけだと臨場感を出すことは出来ないから外部の音を混ぜるという事が必要になってくる。

このようにラインの音だけだと、映像の立体感に比べると音は平面的な印象を受け、映像との距離感に全く合っていなくて、音と映像が別世界。これだと「その場で撮ったよー感」が出せない。

音色はいくらでもいじれるのは強み。

ここでは外部の音と混ぜて使うことを狙って、中低域を多めにした音で仕上げている。

Camera Mic + Line [カメラマイク　＋　ライン]

上のカメラマイクの音とラインの音を足した音。

こうやって中の音と外の音を混ぜていくと、映像の見た目と音の臨場感を一致させつつしっかりした音作りが出来る。

僕がここで欲しい音はこういう映像の見た目とマッチした音。

Mic + Line [マイク　＋　ライン]

映像と一致しつつ、より立体感のある音。

これも良い。

ただカメラマイクで録った「サー」というノイズが恋しくはなる。

僕が演奏動画で欲しい音は、「今ここで弾いてるのを撮ってるよ感」を出せるもの。ホームビデオのような映像の揺れまではいらないけど。

だからクリアではっきり聴き取れる音よりも、雑でよく聴き取れないような雰囲気を持たせることを優先して、でもちょっと曲の表現に必要な音色や音の骨格やかっこよさは欲しいなーっていう感じ。

ということで、サイレントギターを使っての演奏動画での音作りは最後の二つをメインにしつつ、その時に何を目的としているかで、曲調だったり見た目の雰囲気だったり、その時々で変えている。

サイレントギター、、、、音の強弱を付けるのが難しすぎて上手くコントロールできないんだけど、いろいろ遊べて面白いよ。

ちなみに、下の動画の『雪だるまつくろう』の音は「カメラマイク＋ライン」によるもの。

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