北海道札幌市にある音楽スタジオ JoeDown Studio（ジョーダウンスタジオ）から素敵なＣＤを貰ったー！！

『城下孝 On The Jazzy Side Of The Street』

というタイトルのアルバムで、札幌を中心に活動しているジャズバンドのＣＤで、その録音を新しいジョーダウンスタジオで行っている。

これは去年スタジオを一新してからの録音作品ということで、箱鳴りを重視した設計の新スタジオで、どんな音で録ってまとめているのかとても楽しみに聴いた。

プロデューサー／冨井昭次、ミキシングエンジニア／河野武史による録音。

僕はお二人の制作の様をよく見ていてとても尊敬している。そんなところから『聴けー！』と作品を貰えるのはとても嬉しい。

さて、どんな音作りをしてるのかなーと楽しみに再生。

・・・・ペラペラペラペラ

なんか喋り始めた。

これ昔のジャズライブみたいの、ＭＣが紹介しながら曲が始まったり、曲にのせてＭＣが紹介するような雰囲気。例えばチャーリー・パーカーの『Summit meeting at birdland』やチャーリー・バード＆ハーブ・エリス（この人のギター大好き）の『TWINS － Navy Swing』みたいなニュアンス。

こういうアルバムの作り方好きだ。

サウンド全体的に煌びやかさを控えめにしたシックな音作りで、とても良い距離感。今、目の前に演奏者が居て、彼等と同じ空間にいるような感じ。デッドでもライブでもないナチュラルで録音スタジオの鳴りを素直に活かしたような感じが良い。

パーカッションも空間の響きが気持ち良い。特に気に入ったのは、トランペットの質感。このまんま音ネタとして欲しい。

新しいスタジオではこんな音で録れるんだ。素晴らしい！

昨今、吸音バリバリの箱にPro Toolsで組むスタジオが主流になったせいで、少し乱暴な言い方だけど、これだとどこのスタジオで録音しても音が同じっていう状態になる。日本人が録音すると科学的に耳に心地良い方向になりがちで、結果似たような録音になってしまうこともある。

それはそれで一つの方向性としてとても面白く聴いているんだけど、画一化されてくるとつまらなくもなる。それよりも僕は、『あそこのスタジオで録るとこんなサウンドになるよ』とか、『こういう音に仕上げたいから、あそこのスタジオの箱鳴りを利用したい』っていう会話が当たり前なほど、各スタジオがそれぞれの箱の特徴を持っている方が面白い。

このジョーダウンスタジオの録音ブースは、そういうスタジオ固有の『鳴り』をとても意識しているから、演奏者、歌手、声優など、録音に携わる人たちは、日本で利用するスタジオの選択肢の一つとして持っていると、制作の幅が広がって楽しいだろう。

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ミキシングや音響の勉強をしている人は、こちらのスタジオ内の写真を見ながらこのＣＤを聴くと、サウンドメイキングの想像もしやすくて勉強になると思うよ。

ジョーダウンのMAスタジオの公式サイトはこちら

おまけ。

録音を始めたばかりの人、自宅に高性能な録音機材を揃えても、部屋の防音が！遮音が！吸音が！と苦労して『これじゃダメだ』と思って音ネタばかりを使った音楽制作に偏ってしまう場合があるかもしれない。

吸音がバリバリできる箱だけが良いわけじゃない。

自分の部屋の共鳴を失くそうとするんじゃなくて、響きを作るように調整しようと考えると楽しい。

この部屋にしかない響きで録音して音を仕上げる。その環境で出来ることを利用して音作りを模索すると楽しいし、オリジナリティも出るし勉強にもなる。

『こういう録音をしたい』というものは大事に一つもっておいて、それとは別にいま持てる環境を活かして音楽制作をしてみるととても楽しいよ。

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