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ブラジルのバスの乗り方

 
2012-02-09 11:19 Good(10) Comments(0)
in Brazil - ブラジル, How to - ハウツー
ブラジルのバス車内 - The interior of the bus in Brazil
ブラジルのバス車内 - The interior of the bus in Brazil

ブラジルで一般的によく使われる交通機関といえばバス。主要地域には地下鉄もタクシーもあるけど、人々の移動の手段のメインはバスになる。路線が充実していて、手軽で安くて、ちょっと遠くへ行くにも近くを移動するにも何かと使い勝手が良い。

日本では電車が主流だから、街中を走っているバスは少ないけど、バス社会なブラジルでは街中で沢山のバスを見かける。日本の街並と違うところの一つ。

全てのバス路線図がまとめられたバスの本が出版されているほど。

ブラジルのバスは主に、街中をグルグル走ってるバスと、街と街の間を移動する長距離バスの二種類がある。ちょっと旅行で行ったり、一つの街で生活する分には街中を移動するバスを多く使うことになる。

路線も沢山あるし便利なんだけど、日本のバスの感覚でいるとバスに乗れない。ブラジルでバスに乗るには絶対に覚えておかなければいけない事がある。


まず、日本のバスだと、バス停に人が居ると必ず止まるけど、ブラジルのバスはバス停に人が居るだけじゃ止まらない。日本のバスに乗る感覚でただ突っ立ってるだけだと、普通にスルーされてバスは行ってしまう。

目的のバスが来るのが見えたら、バスの運転手の顔をしっかり見ながら、人差し指を軽く立てた拳を上げて縦に軽く降る。これが『乗りたーい』っていう合図。

ブラジルのバスに乗るジェスチャー - The brazilian air quotes
ブラジルのバスに乗るジェスチャー - The brazilian air quotes

この乗る意思表示が絶対的なものじゃないから、運転手に伝わるようなジェスチャーなら何でも良い。普通に大きく手を振るのもOK。とにかく、明確な意思表示をしないと、止まらない。

そのジェスチャーに運転手が気付くと、バス停にバスを止めて、車体前方の entrada (エントラーダ)と書いてある入口を開けるから、そこから乗車する。ちなみに、バスの車体後方は出口専用で、 saida (サイーダ)と書いてある。


バス車内に入ったら、入口に運転手とは別に料金を集める専用の人がいるので、その人に所定の料金を払って乗る。

さて、無事に乗れたが、目的のバス停までボーっとしていても降りられない。最初にも書いたとおり、バス停で乗る人が居ない限りはバスは止まらないから、降りるときも『降りたーい』という意思表示をする必要がある。

日本のバスでは降車ボタンが付いているから、それを押すだけでいいけど、ブラジルのバスにはそんなものは付いてないから、運転手に向かって『降ろしてくれー!』って叫ぶ。

すると、次のバス停で止まって降ろしてくれる・・・、というだけじゃないのが、ブラジルのバスの素晴らしいところ。

バス停じゃなくても、信号や渋滞で止まった時には出口の扉を開けて降ろしてくれる。もちろん、乗ることもできる(詳しくは後述)。だから、あんまり早く降りる意思表示をしてしまうと、バス停に着く前に降ろされてしまうこともあるので、タイミングを図る注意が必要。

日本のバス車内の光景を見ていると、バス停を出発した瞬間に降車ボタンを押す人がいるけど、あんな感覚でいると大分手前で降ろされてしまいバス停までたどり着けない。

初めて行く目的地で最寄のバス停がはっきり分かっていない場合だと、乗る際に運転手に目的地を告げておくと、その最寄のバス停または路上で降ろしてくれる。でも、最初に言ったからといって安心していると、忘れられて通過してしまうこともあるから、そういう不安な場合は車内前方の運転手のすぐ近くに乗って途中で二度三度言った方がいい。

こうやって文章で書くと分かりにくいかもしれないけど、要はコミュニケーションをとるだけだ。

乗る側も人間、運転手も人間、一緒に何か行動を起こすわけだから、コミュニケーションをとる、という当たり前のこと。

だから、乗るときも運転手や集金の乗務員に『やあ』(Oi.)とか『こんにちは』(Boa tarde.)って普通に挨拶するし、降りるときも『ありがとう』(Obrigado[-da].)って言う。これがブラジルの普通。

健全で気持ちが良い。

その他乗車時のエチケット等、ブラジルのバス車内のマナーを参照して欲しい。


さて、バス停じゃない所でバスに乗る裏技もある。バスが信号や渋滞などで止まっているところを狙う。

止まっているバスを見つけたら、バスの車体をバン!バン!バン!と強く3回ほど叩く。すると運転手が乗りたい人がいると気付くので、入口を開けてくれる。

他人の車をぶったたくなんて、日本じゃ考えられない行動だけど、ブラジルではこれが当たり前で、乗車したいという意思表示として共通の認識になっているから、安心してやっていい。むしろ、バスに限らず、明確な意思表示を出来ない人はブラジルで暮らすのは難しい。

この裏技、どんな時に便利かというと、バス停まで間に合わない時。バス停に向かっている途中で、乗りたいバスが信号で止まっていることに気付く。こんなシーンは日本でも珍しいことじゃない。日本なら、バス停まで必死に走ってバスがバス停に着くのに間に合わせようとするけど、ブラジルでは基本的にその必要は無い。バスを見つけたら、その場でバスをぶっ叩けばいい。ただ、バスの運転手と顔があう位置にいるなら、叩く必要は無い。あくまで、バスの運転手と顔があわない、運転手の視野外に自分が居るときに、自分の存在を知らせるための手段。開けてくれたら『ありがとう』の一言を忘れずに。

ただ、絶対に開けてくれるという訳じゃない。もう信号が青に変わりそうな時や、止まる予定のバス停がすぐ目の前だったりすると、バス停まで行ってくれって合図される。その場合はバス停までダッシュ!

また、バス停でも、人込みのせいでバスの入口までスムーズに行けない場合にも有効。もう乗る人がいないと勘違いされて発車されてはたまらないから、まだ乗る人がいるよーっていう合図の意味でバン!バン!バン!と叩きながら、入口へ向かう。

バスをバンバン叩くのはよくあるコミュニケーション手段の一つなので、覚えておくと便利。

バスを乗りこなせるようになると、ブラジルでの生活は楽しくなる。だから、旅行でブラジルへ行く際には、このブラジルのバスの乗り方や常識を覚えておくと、スムーズに観光が出来る。

ちなみに、ブラジルのバスの運転は超荒いので、立っている場合は近くのポールに両手でしっかりつかまった方がいい。丁寧な運転をする日本のバスやタクシーの感覚で、『荒いっていったって限度があるだろ(笑)。客乗せてんだからさ。』と思っていると、吹っ飛ぶよ。特にバイーアみたいな田舎町のバスでは。

ブラジルのバスの運転手は、『こんなごっついマシンを操縦してるオレって最高だぜ!』って感じの楽しくてしょーがねーぜっていうテンションだから。

これぞブラジル。ブラジルを楽しめ!

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