今日久しぶりに多摩動物公園に行った。行く前に公式ページチェックしてたら、ユキヒョウのマユが死んだとの知らせが掲載されていて驚いた。

9月14日、ユキヒョウ舎内の飼育スペースを隔てる油圧扉に挟まれて頭蓋骨骨折で死亡とのこと。

痛ましい。

マユは13歳のメスで、同園で産まれ育ち、今までに7頭の子供を出産している。去年5月末にはスカイ、エナ、アサヒという3頭の赤ちゃんを産んで話題になっていた。

動物園の公式発表によると、給餌作業の過程で子供3頭と親のマユを別々の区画に分けていたところ、そこを仕切る油圧扉を下ろしている最中に、子供3頭が鳴き声を上げた。

飼育員がその鳴き声が気になり子供3頭の方に目をやったと同時に、親のマユもそれに反応して扉へ突進し、飼育員が目を離している隙に閉まる扉と地面の間に頭を挟まれて頭蓋骨骨折に至った。

たぶんこれ、本当に例外的な事象。

公式発表はとても短文で詳細が分からないけど、僕が今までこの親子を10回ぐらい見た中では、子供3頭が、親のマユが驚いて駆けつけるほどの鳴き声を上げる場面を一度も見たことがない。

声を上げた子供は何でもなかったようだ。もしかしたら、何かの影に驚いて親を呼ぶ声を上げたのかもしれない。下手すると、自分や兄弟たちの尻尾の影の動きに驚いただけかもしれない。

ただ、このユキヒョウ親子を飼育する上では例外的であろう事故とはいえ、生き物の飼育全体から見ると、扉の開閉時の事故はまず真っ先に思いつく注意事項だから例外でも何でもない。ユキヒョウのように大きな動物に限った話じゃなく、猫でもメダカでも同じ。

飼育スペースを何かで仕切る際には、生き物が不意に方向転換することを一番警戒して目を離さない。何が起きようと絶対に目を離さないし、どんな突発的な動きをしようとも対処できるように集中して気を張っている。

以前猫を飼っていた時は、部屋の扉を開けたり閉めたりする時には本当に気を遣った。急に向きを変えて走り出さないか、扉の軸に尻尾や指を挟まないか、扉と床の間に手を挟まないか、扉を開け閉めする毎に緊張していた。

魚でいうと、水槽の中をプレートで仕切る際にも、やはり突然方向転換して仕切りの方に泳いでこないかなんて常に気を遣うこと。

今回のマユの死亡事故は、痛ましい、悲しい、残念といった言葉だけではどうにも浮かばれない。事故を起こした当該飼育員だけでなく、動物園関係者全員が施設設計（油圧扉の操作ボタンの配置や扉の安全性は適切なのかなど）や管理体制（複数の個体を一人の飼育員で対処する体制は十分なのかなど）や意識（生き物の命を扱っている意識や緊張感と行動が結びついているかなど）の再確認をして、今後同じ事故を起こさないよう取り組んで欲しい。

多摩動物公園の発表

東京都の発表

さて、そのユキヒョウ舎、今日僕が行ったときにはミミとヴァルデマールという名前の個体が表に出ていた。いずれもマユ親子とは無関係。

ミミ。3歳、メス。

ヴァルデマール。8歳、オス。

どっちも涼しい顔をしている。元気で何より。

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おまけ。

この立て看板、初めて見た時から違和感を持つ。日本語圏の人間に対してだけ『弱腰外交』してるかのよう(笑)。

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