昨日に引き続き、今日は3匹のナミアゲハが羽化した。

昨夜の11時ごろに見たら、5匹中3匹に羽化の兆候である色の変化が表れていたから、翌日（今日）羽化することが分かる。

困ったことに、そのうち1匹はとても強く透けていて、あと2時間もすれば羽化しそうな外観。

夜中に羽化してもいいように、水槽を開けて置いておいた。

昨夜の状態。

これは夜中に羽化した蛹。

2番目に羽化した蛹。

3番目に羽化した蛹。2番目とは羽化開始の時間が3分違いの僅差。

羽化が早かった個体は、朝5時半過ぎに見た時には既に部屋の中を飛んでいた。

そのまますぐに放したんだけど、網戸でバタバタしいた時に網戸に左前足が引っ掛かってもげてしまった。

高速で羽をばたつかせながら、飛ばずに網戸を駆け上がっていった姿は痛々しかった。その状態で30秒ぐらいすると少し落ち着き、はばたきを止めた。

落ち着いたところで外に放した。飛ぶのには問題なさそうに見えたけど、この後の生活に重大な支障がでなければいい。とても心配。

とはいえ、チョウの2本の前足って退化する方向に進んでいる種類もいるし、前足1本なくなっても何かにつかまったり歩いたりする分には支障はないから、可愛そうなことをしたと思うけど、生きていけないほど弱くないとも思っていた。

だけど！！

やっぱり気になって調べたら、大変なことが分かった。

アゲハ蝶は前足を使って柑橘系の葉っぱを見分けている。

とのこと。去年の暮れに発表されたばかりの研究成果で、ＪＴ生命誌研究館（大阪）、大阪大学、九州大学などの共同研究チームが発見したもの。

前足で特定の葉っぱ、ナミアゲハならレモンやユズやルー（ハーブ）といった幼虫の食草となる植物の化学物質を感知して、その植物に産卵してもいいかどうかを判断するみたい。

大変だ。

この足がもげた個体は雌。残った右前足だけでもちゃんと機能するんだろうか？考えても仕方ないんだけど、とても心配だ。

これは左前足がもげる前の写真。

この1匹を外に放して部屋に戻ったところ、別の1匹が羽化し始めていた！！

これは夜中にこっそり大移動をしてサイパンレモンの木を下りて、ベランダに置いてある発泡スチロールの側面で前蛹になっていた個体。

蛹になって、その殻がしっかりした頃を見計らって、発泡スチロールから剥がして保護した。

セロテープで蛹の周囲をペタペタ貼り固めて、壁面に張り巡らせている網状の糸ごとひっぺがして、そのまま割り箸に貼り付けた。

若干お尻の部分がグラグラしているから、羽化に支障が出るかと心配だったけど、全くそんなことはなく無事に羽化できた。

この羽化した個体の羽がまだ伸びきっていないうちに、この約3分後に、もう1匹が羽化を始めた。

2番目に羽化した個体を見ていたら、すぐ横で『パキョッ・・・・』って殻が破ける音が聞こえてきて気づいた。

気づくのが早かったから、羽化のほぼ最初から見ることが出来た。

2番目のも3番目のもどちらも羽が伸びるまでのんびりと割り箸にぶら下がって休む。

2番目の個体。蛹がビッグサイズだったから、メスだろうと思っていたら、なんとオスだった。巨大でたくましい雄！

3番目の個体はメス。体の色は黄色が強い。

約2時間後、2匹はほぼ同じぐらいに割り箸から飛び立った。

2番目の個体は、外へ放ったと同時に、ベランダの植物アカザカズラに止まってしばし休憩し、数分時間をつぶして飛び立っていった。

3番目の個体は、羽化から2時間ぐらいで外へ放ったんだけど、飛んで間もなくうちの隣の建物に止まってまた休み始めた。この後、3時間以上もここで休んでいた。4時間近く経とうかという時に見たら、既に飛び立った後だったらしく姿はなかった。

今日の羽化はこの3匹。残りは2匹。

今日は2匹も羽化の瞬間を見られてよかった。そのうち1匹は最初から見られた。約50秒の羽化ショーだった。羽化の瞬間を見るのは難しいから、本当にこれはとても嬉しい。

それにしても、左前足がもげてしまった個体は心配だ。今後の幸運を願う。

この翌日に羽化した最後の2匹のナミアゲハの様子

昨日羽化した4匹のナミアゲハの様子

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おまけ。

幼虫が2匹残っていたんだけど、いずれも成長不良で死んでしまった。

上の個体、この1匹は何度も木から落ちるから、大移動である可能性も考えて、水槽に移した。けど、何もなく一晩が経ったから、また木に戻した。だけど、既に弱っている様子で、葉っぱを食べることもなくそのまま死んでしまった。

一晩何も食べないだけで極端に弱って死ぬことはないから、原因は他にあると思うんだけど、はっきりしたことは分からない。

もう1匹は、終齢幼虫になった後、木から落っこちて1日行方不明。その後ベランダを歩いているところを発見して木に戻したけど、やっぱり木から落ちるから、食草と一緒にケースに入れて一晩様子を見た。この時、しきりにお尻を気にしていて、お尻を何度も激しく振る仕草を繰り返すうちに勢い余って落っこちることが多かった。

少しずつではあるけど、その食草も食べて行動も落ち着いているから、また木に戻した。木の葉っぱも少しずつ食べていた。もちろん終齢幼虫の食べっぷりからすると全然少ない量。元気もない様子。それから2日間は弱りながらも葉っぱを少しずつ食べていたけど、体がだんだんしぼんできて死んでしまった。

これもやっぱり原因は分からない。

2匹とも、サイパンレモンの葉っぱにくるんで、その木の根元に埋めた。天国で楽しく暮らして欲しい。

おまけ２。

以前、巨大に成長していた幼虫が下痢便を残して行方不明になったと書いたけど（観察2の20日目の記事の最下部の『おまけ２』を参照）、その蛹の殻が見つかった(笑)。

モップの裏。

このモップは、ベランダの隅に立てかけてあるもの。蛹の殻はちゃんと破けているから自力で羽化したことは確か。そして辺りを探してみてもナミアゲハの死骸はなかったから、無事に飛んでいったんだろう。よかった。

しかし、特に巨大な幼虫だっただけに、成虫の姿を見たかった。

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