昨日の東京は朝から強風だった。前日に天気予報を見ていて、風が強くなるとわかってから決めていた。銀杏を拾いにいく！

砧公園の鈴なりだった銀杏はこの強風で落ちるだろうと思ったから、午前中、まだ強風があって時々雨が降る天気の中、砧公園に向かった。風が止んでからだと、他の人に先を越されると思ったから、雨に濡れるのは全然ＯＫという気で行った。

砧公園に着いて、とりあえず近いイチョウの木へ行った。

枯葉で茶色い地面には所々にポツポツとオレンジ色が見える。あるあると思って近づいてみると、銀杏の実だけだった。中身が無い。どれもこれも全部実だけ。これは既に誰かに取られた後だと分かった。しかも、ついさっき取られた感じだった。

ふと、後ろを見たら、片手にビニール袋を持った人が来た。この悪天候の中でも僕と同じように銀杏を狙って来ている人が既に何人も居るってことだ。やや出遅れた感じがしてちょっと不安になった。

ここは諦めて次の木へ向かった。こっちはとても沢山落ちていた。まだ誰にも取られた形跡がない。早速拾い始めた。

ここでも他の人が来て、僕と同じように銀杏を拾っていた。意外と人が居る。

拾い始めて5分ぐらい経った頃、公園の見回りのおじいさんが僕に話しかけてきた。『別の場所に、ここより実が大きいのが取りきれないほど落ちてるよ』と教えてくれた。今拾っているところでも沢山落ちているのに、これより沢山ていう状況がはっきりと想像できなかった。それでも折角教えてくれたから、行ってみることにした。

そのイチョウの木に到着。これは・・・・！！

グチャッとゴチャッと銀杏が地面に固まっている。銀杏で地面が見えないところもある(笑)。これは凄い！驚きつつ早速拾い始めた。

せっせと拾った。拾っても拾っても無くならない感じがした。

時折、ミミズと遭遇。

中身がむき出しになっているものも多くあった。むき出しになっている物の中には、ここがジョギングのコース沿いのため、人に踏まれて潰れているものもあったけど、うまく実だけ剥がれて種は綺麗な状態で落ちているのもあった。実を剥がす必要が無い。そのまま拾うだけでとても楽。

せっせと拾った。この間、他の人も来て拾っていた。また、銀杏で一杯になったビニール袋を2つ両手に持って帰って行くおじいさんも居た。

この場所を教えてくれた公園の見回りのおじいさんも、少しだけ拾っていった。その彼が言うには、『このへんのじーさん連中は、いつ、どの木に、どれぐらいの大きさの実が、どれぐらいなるか、全部把握してて、丁度いい頃合に拾いに来る』とのこと。流石、経験が違う。さっきの2袋抱えて帰っていったおじいさんの後姿がかっこよくて忘れられない。

拾っている時も風が強く吹いていた。風が吹いて木が揺れるたびに、ボトッ、ボトッと銀杏の実が地面に落ちる鈍い音が聞こえてくる。イチョウの木の下で拾っていた僕の背中や頭にも実が落ちてくる。自分の体に当たってみて、銀杏の実が意外と重いことを実感できた。

時折ザーっと雨が降ってきて、背中と頭がずぶ濡れになった。家を出るときから濡れるのは覚悟していたし、銀杏拾いに集中していたから全く気にならなかった。

一時間ぐらい拾い続けた。黙々と拾い続けた。その頃、ご年配の夫婦も拾いに来た。上から落ち続ける銀杏を全部拾うなんて無理だ。下にもまだ落ちているし。きりが無いから、一袋たまったぐらいで拾うのを止めた。だいたい2kgぐらい拾えた。

ここは水道が近いから、砧公園の水道で銀杏を綺麗に洗った。

鉄格子があるから、銀杏が袋からこぼれても下に落ちない。

この洗う作業は、家でやると大変。臭いもあるし、水が飛び散るし、何だかんだと大騒ぎになってしまう。こうやって外の水道で洗えてよかった。持って帰る時も臭いを抑えられるし。

洗っていると、さっきのご夫婦の奥さんの方が水道に来た。どうやら素手で拾っているようで、手を洗いにきたようだ。ゴム手袋を持ってきていないとのことだったから、一つ余っていた僕のゴム手袋をあげて帰ってきた。

家に着いて、新聞紙を敷いて、その上に取ってきた銀杏を広げた。

軽くドライヤーで水気を飛ばした。後はほったらかし。

洗ったとはいえ、やっぱり臭い。臭いの元は銀杏そのものじゃなくて、洗った時の水と、そこに付いている実の欠片。だからある程度乾いたら新聞紙を取り替えてしまうと、ウソのように臭いがしなくなる。それで夜は安心して眠れた。

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もちろん、靴を洗うことも忘れては居ない。家に着いたら真っ先に洗った。僕の大事なジョギングシューズ。

去年は、出遅れたせいで、時期を逃してあまり拾えなかった。落ち葉を掻き分け掻き分けようやく実を見つける、という感じだった。でも今年は見ての通り、オン・ザ・オチバ、落ち葉の上に実が落ちている中、銀杏を拾うことが出来た(笑)。今年の銀杏拾いではっきり分かった。やっぱり拾いに来るタイミングがとても大事。それも一日単位で、更にその中でも早い時間帯に拾いに行く必要がある。それを逃すと、経験豊富なおじーさん達にみんな取られてしまう。銀杏拾いのこの時期になったら銀杏の木の様子と天気に日々注意する。

さて、銀杏が乾いたらいよいよ殻剥き。大変なんだこれが・・・。

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