ある日ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ州のフラメンゴ地区にあるショーレストランJ CLUBへ、ロベルト・メネスカルのショーを見に行ったときのこと。

彼のショーが終わった後、彼とテーブルでいろいろな話をした。息子のショーにゲストで行くとか、地元の話とか、そんなごくありふれたこと。その会話の中で彼が僕にあるバンドを薦めた。『こいつは素晴らしいから聴いてごらんよ』って。

それが

というバンド。ショーロしてる。

ショーロ(Choro)とはリオの伝統的音楽で、僕の音楽の軸にもなっているもの。これは楽しみと、早速次の日リオのCDショップへこのバンドのCDを買いに行った。

他人に何かを薦められた時、僕にとってその物自体の良し悪しはどうでもいい。ただ、薦めてくれた人の気持ちが嬉しい。それだけ。

それが自分の趣味に合わなくても、その薦めてくれた人の好みが分かって楽しいし、次会った時にそれでまた会話ができる。

だからこのチラポエイラというショーロバンドの音楽を聴く時は、割とフラットな気持ちで聴けていた。

そんな中で『わぁ、凄い…』と感じた。もはや薦めてくれたロベルトおじさんの顔はどこかへ吹っ飛んでいた。

チラ・ポエイラの基本的なメンバーと楽器編成は以下のとおり。

• カイオ・マルシオ：　6弦ヴィオロン、ギター - Caio Márcio: violão e guitarra
• ヘンリー・レンチーノ：　バンドリン - Henry Lentino: bandolim
• サムエル・ジ・オリベイラ：　サックス - Samuel DeOliveira: sax-soprano e sax-alto
• ファビオ・ニン：　7弦ヴィオロン - Fábio Nin: violão 7 cordas
• セルジオ・クラコウスキ：　パンデイロ - Sérgio Krakowski: pandeiro

リズムを刻む打楽器はパンデイロだけで、7弦ヴィオロンと6弦ヴィオロンが低音部分とバックを支えている所に、バンドリン、サックスがメロディラインを奏でる。

殆どはこの編成だけど、たまにゲストでボーカルを迎えての曲もあったり、ジャズっぽいエレキギターが入っているアレンジもあって楽しい。

地元民が夜な夜な集まって呑んで気ままに踊る現地を思い起こさせる。

音楽が流れた瞬間に踊りたくなる、そんな素晴らしいグループ。頭で考えすぎないで、ただ体を動かしてみたらいい。僕はとても好き。

ロベルトにこのバンドを薦められて以来5,6年、頻繁に聴いているお気に入りの一枚。うちでやるムケカ祭りやブラジル音楽の集いなど人が集まる際にも必ず掛けている。どこかで聴く機会があったら是非聴いてみて欲しい。ビバ、チラポエイラ！！

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