1:40秒あたりから、頭を損傷して倒れる過激な内容が撮影されているので、閲覧の際は要注意。

ブラジル現地時間2月6日、日本時間2月7日にブラジルのメディア等で報じられたニュースについて。

参考記事はグローボ（ブラジルポルトガル語）と、
バンジ（ブラジルポルトガル語）

ブラジルのリオ・デ・ジャネイロの主要交通機関であるバスの料金を、2月8日からR$2.75レアルからR$3レアルに値上げするという政府の発表に対して、800人程度のデモ隊の一部が暴徒化し警察隊と衝突した、というもの。

参考記事に掲載されている火花が散っている写真は、ブラジルのTV局Band（バンジ）のカメラマン Santiago Ilídio Andrade （サンチアーゴ・アンドラージ氏）が爆発物を頭部に当てられて被害にあった瞬間。頭蓋骨損傷などで昏睡状態とのこと。上の映像では1:40秒あたりの部分に該当。

デモの規模に関しては報道により1,000人以上というのもある。また、デモ隊に紛れて破壊行為を行うグループの存在や、サッカーワールドカップに税金を使うより医療などの充実に使うべきという世論の存在など、色々あるけどちょっとそれらは片隅に置いておき、バス料金の値上げが現地の人々にとってどういうものなのかを、日本の生活に置き換えて見てみる。

※ここでは、小数点は日本式にピリオドを使用

バス料金がR$2.75からR$3になるということは、

最新レート「1レアル＝43円」で日本円に換算すると、約118円から129円になるということ。

増加率では約9%の値上げということになる。

日本の感覚でいうと、「じゃあ、電車に乗れば？」となるんだけど、ブラジルはバス社会で市民にとっては生活に欠かせないもの、自分達の足同様のもの。

地下鉄やタクシーもあるんだけど、移動はバス一択と言えるほど市民の移動はバスで成り立っている。

会社へ行くのもバス、家へ帰るのもバス、買い物に行くのもバス、海へ遊びに行くのもバス。バス、バス、バス。

それが値上げされるということは、日本の社会に置き換えてみると、バスも電車もあるけど自家用車がないと生活できないよぐらいの田舎町で、車の維持費が上がるようなもの。

東京でいえば、電車、バス、モノレール、タクシーなどが一斉に値上げされるようなもの。

つまり、自分が外で移動する為に使うお金が9%増えるという感覚。

9%の値上げは単発で見ればどうってことないけど、例えば一ヶ月で計算してみると、、、、

一日2回バスに乗るとして計算する。

R$2.75がR$3.00に値上げすると、R$0.25の出費が増える。

一日R$0.5増えるので、一ヶ月でR$15増えることになる。

これを食事で考えると、ブラジルではR$15あれば6食分（2日分）になる。

（貧困層にとっては15食分程度にもなる）

6食分の出費を、各々の食費で換算してみてほしい。

一日1,000円の人は月に2,000円の出費が増えることになる、ということ。

お小遣いが1万円のお父さんたち、2,000円も取られたら8,000円になっちゃうよ・・・・。

世帯で見ると4人家族なら2,000×4=8,000円の出費増になる。

普通に月の交通費で換算した方が痛い？それとも食費に換算した方が痛い？

日本は裕福だから、より痛いほうで想像してみて欲しい。

このニュースを見て不思議に感じたのは、ブラジルでは一般的に買い物などの取引の際に生じる端数のお金に関しては雑に扱っていて、例えばR$4.60レアルの物を買った場合、レジでR$5レアル払うとお釣りはもらえないことが普通にある。

日本で言えば、46円の商品を買って50円払っても4円のお釣りが貰えない感じ。

このへんのお金の扱いはとても雑なのに、交通機関の運賃値上げというところではナーバスになる。

ブラジル経済の低迷、Ｗ杯への税金の投入、役人のちょろまかしなど（これがけっこう酷いと聞いた）、色々重なって溜まっての結果なのかな。

さて、今年6月にはサッカー・ワールドカップが開かれる。2016年8月には夏季オリンピックも開かれる。

世界中から観光客が押し寄せるビッグイベントだけに、警戒も厳重になるからこういう過激な活動は起きないだろうし、基本的に安全な地域と危険な地域ははっきり分かれているから、起きてもせいぜい強盗ぐらいだと思うけど、それでも行く人は十分注意して欲しい。

ブラジルの場合、日本の警察と違って「とりあえずボッコボコにして話はそれからだ」スタイルなので、観光客にしてみればそのへんは頼もしい。

逆に、へんに逆らったりしないように。そして、戦闘服のような服装の人が歩いてきたら、何を置いても素早く道を空けた方が良い。

バス社会のブラジルで、とても役立つバスの本

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