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ブラジルポルトガル語を勉強して感じたこと

 
2012-03-06 11:24 Good(10) Comments(0)
in Languages - 言葉, Brazil - ブラジル
ヤス、イグアスの滝にて - Yasu at Foz do Iguaçu in Brazil
ヤス、イグアスの滝にて、ボートで滝の中に突っ込むところ - Yasu at Foz do Iguaçu in Brazil

ブラジルポルトガル語はブラジルの公用語。

僕はブラジルの音楽からブラジルポルトガル語に入った。そして、その言葉を覚えて現地で使って生活するうちに、いろいろと発見があった。

ブラジルポルトガル語(以下、ポル語)を勉強し始めてまず真っ先に何に感動したかっていうと、読みやすいこと。

日本にはアルファベットを使って日本語を表すローマ字というものがあるけど、それを読み上げる感覚でポル語を読むと、大抵は通じる。

単語をローマ字風に読めば通じるって、これは本当に

とっつきやすい!!!!

アルファベットを使う言語で多くの日本人が一番見慣れているのは、義務教育課程で学んできた英語。僕も中学校から学校の授業で英語を勉強し始めたけど、とにかく読めないのに困った。英単語を見ても、どう発音していいのか分からない。例えば【rain】ていう単語を、【ライン】って読んでとても笑われた(笑)。

ある程度やっていれば何となく覚えてくるけど、そこに至るまでが大変だし、未だにどう発音したらいいのか全くイメージできない英単語を見かけることもある。なんとかイメージしてみても、本当にそれで合ってるのか自信を持てない。

けど、ポル語は違う。単語を見たら100%どう発音したらいいのかをイメージできる。いくつか決まりを覚える必要はあるけど、このマークが付いていたらここの音を高く、こっちを低く、ここを弱く、こっちを強く、○○アンォになるとか、○○エになるとか、他細かいこともあるけど大まかな所ではそういう程度のものですぐに覚えられる。

もちろん発音の難易度に違いはある。一発で完璧に発音できてしまうものもあれば、一生掛かっても習得できないんじゃないかとさえ思えるものもある。例えば【ô】と【ó】は違う発音。日本語の音の枠に当てはめるとどちらも【オ】なんだけど、ポル語の音の枠では別の発音になる。こういう日本語の耳では区別しにくい難しさもあるけど、『こう発音する』という形が決まっていて、英語みたいに文字の並び方の違いで発音が変化するということが無いから覚えやすい。

こんな感じで、【eu】を読んでみる。ローマ字風に読めば正解。【エウ】、意味は【私】。

以下もローマ字風に読んでみる。

【vim】は【ヴィン】

【para】は【パラ】

【estudar】は【エストゥダー】

【música】は【ムジカ】

続けて読むと、【Eu vim para estudar música.】

意味は【私は音楽を勉強しに来ました。】となる。ブラジル現地に着いてこれを言えば、もうアミーゴゲット間違いなし!

初めて見る単語でも、ローマ字風に読んでみると通じるということ。これが何といってもポル語の取っ付き易さの要因。

言語を覚えるためには、声に出して読むことが大事と分かっていても、どう発音したらいいのか分からないケースが頻発するとイラつくし本当に疲れる。英語では本当に疲れた。

現代ポルトガル語辞典
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ブラジルポルトガル語はとっつきやすい。だからスタートでくじけにくい。語学学習で最初のハードルが低いというのはいいこと。勉強し始めてすぐに『できる』という感覚を覚えるから楽しくなる。楽しくなると吸収するスピードも上がる。その連鎖で続いていく。

もちろん、つきつめるのは難しい。これはポル語だけにいえることじゃなく、他の言語でも同じこと。日本語だって僕は綺麗に正確には話せないし書けない。学者先生やマナー関係の先生でも、ちゃんと日本語を使えている人を見たことがないから、『突き詰める』っていうのは本当に難しいことだと思う。例外的なものを一つ一つ覚えていったり、和製英語ならぬ伯製英語(同じアルファベットだから実際に会話の中で遭遇しないと気づきにくい)を覚えていったり、一つの言葉が持つイメージを増やしていったりするのは、それなりに時間が必要になる。言葉は時間とともに変化もしていくし。


つきつめる前の段階、日常生活に困らない程度まではあっという間にたどり着けるのが嬉しい。

ちなみに、ここでは日本語でポル語や英語について言っている都合上【ライン】とか【オ】とか日本語の音の枠に無理矢理当てはめているけど、言語を勉強する時は、日本語の音や単語に置き換えないで、そのまま覚えた方が良い。日本語でそうしているように『言葉の音=>現物をイメージ』が望ましい。『言葉の音=>日本語に変換=>現物をイメージ』としていると、最初は覚えやすいけど、なかなか会話の反応速度が上がらない。


話を戻して、、、あとは、重要な事を素早く端的に伝えられること。ポル語の語順の基本は、『○○が、××する、△△を。』という形。だから、その人が何を言いたいのか、何をしたいのかが最初に分かって、その後の言葉を落ち着いて聞ける。逆に、最初の方を聞き逃してしまうと、その後全部パッパラパーになることもある(笑)。


あとは、ポル語を勉強すると、スペイン語やイタリア語もなんとなく分かるようになってくること。これらの言語は発音が似ている単語が多いから、なんとなーく言っている内容をつかみ取れる。

話す時は、なんとなーくそれっぽく話せばいい。観光客相手にスペイン語っぽくブラジルポルトガル語を話す物売りはよくいるから、そんな感じで真似すればノリで楽しくいける。


最後に、音楽が好きな僕にとってはとても大きな収穫だったのがこれ。ブラジル産の音楽に対する姿勢が変わったこと。

現地で現地の言葉を覚えて生活しないと、その言葉が持つイメージなんて掴めない。辞書を使って訳しても、それは自分が知っている日本語が持つイメージを当てはめて理解するにとどまるから、現地の感覚で捉えるようにはいかない。

単語一つをとってみてもそうだし、歌まるまる一曲をとってみてもそう。『陽気な曲。』と思ってただフワフワ演奏しているものが、とんでもなく複雑な歴史と心情から生み出されて歌い継がれているものかもしれないし、『綺麗でお洒落な曲だ、このボサノバは。白い浜辺と潮風を感じる…。』なんて言っている曲は、『あのネーチャンのケツたまんねーぜ!』っていう興奮を歌っている曲かもしれない。イメージの方向は似ていても、少し違うということもある。僕にとっては、この『少し』がとても大事。

例えば、バイーアで何百人もの現地人らと『Chega de saudade. (シェガ・ジ・サウダージ)』を大合唱した時、その曲のイメージと演奏する時の姿勢、心持ちが変わった事がある。

僕は現地の音楽と全く向き合っていなかった。

『普通に生活する』中で、いろいろ現地の音楽に対する捉え方が変わっていった。

僕が得たかったものはこれ。

これはブラジル音楽のライナーノーツを見ても、評論を見ても、人から聞いても、どうしようもなく分かれないこと。実感として感じ取れないこと。自分で行って言葉を覚えて生活するしかない。だから、本当にブラジル音楽を好きな人には、現地に行って生活してみて欲しい。

そしたらきっと僕と同じように感じると思う。その国のことが分かるとか分からないとかいうんじゃなくて、捉え方が変わるということ。

楽しいんだよ。楽しめ!!!!


よくよく考えれば、音楽という文化は言葉を使って作られていて、その言葉はその土地の出来事や人々の感情など膨大なイメージから変化、洗練されていった文化。だから、現地の音楽を感じたいならまずその土地の言葉を覚えること、普通に生活することが自然な順序だった。

『とりあえず同じメシを食うことじゃないか?』とただ漠然と思ってブラジルに移ったけど、結果的に正解だった。他の人からすれば不正解ということもあり得るから方法は人の数だけあるかもしれない中で、これは僕にとって正解だったのはとてもラッキー。

言葉って大事。


さて、少しはブラジルポルトガル語に興味を持つ人が増えて欲しい。世の中、英語とスペイン語が席巻していてポル語は肩身が狭いから、もう少し世界に広まってくれることを望んでいる。

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