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ブラジルで絶対にやってはいけないこと

 
2012-05-29 09:38 Good(7) Comments(0)
in Brazil - ブラジル
ブラジル、バイーア州サルヴァドール - Salvador in Bahia, Brasil
ブラジル、バイーア州サルヴァドール - Salvador in Bahia, Brasil

『日本の普通が、他の文化圏では異常』ということがよくある。

そんな日本では普通にやっている行動の中の一つに、ブラジルでは絶対にやってはいけないものがある。

それは、

シカト

する行為。

例えば、日本で街中を歩いている時、店の呼び込みや勧誘やティッシュ配りに声を掛けられた場合、殆どの人が足を止めることもなく無視して通り過ぎている。店内で店員が声を掛けてきても、目を見ることもなくなんとなく声を掛けるなという素振りで済ませる。

わざわざ反応する人でもせいぜい軽く会釈する程度で、相手の方をちゃんと見て拒否を表す何らかのアクションを起こす人はそうそう居ない。

日本ではこうすることが自分のために一番良い。用もない人に時間をとられずにすむし、興味無いことにエネルギーを浪費しなくてすむし、相手に勘違いされてつきまとわれる心配もない。

言葉を返すこともせず、目を合わせることすらしないのが最善。


これがブラジルだと全く逆になる。

地球の反対側にある南米大陸の大国ブラジルでは、相手を無視する態度をとる人はまずいない(サンパウロを除く。東京みたいな街なんだよサンパウロって。)

例えば、物売りに『これ買わないかー?』って声を掛けられた場合、その商品に全く興味なくても、ちゃんとその声を掛けてきた人の方を向いて、目を見て、はっきりと『いらない』と、ジェスチャーも交えながら自分の意思を示すことが普通。

これをやらずに、日本流に気づかないふりをしたり、わざと無視したりすると、相手は自分に対して反応してくるまでしつこくつきまとってくる。

つきまとうっていう言い方をすると変なふうに聞こえるけど、これは『声を掛けてるんだから気づいてよ』っていう、当たり前の反応。悪気は無い。

だって、人と人が話すのは当たり前のことなんだから。公共の場だし。

ただ日本人の価値観からすると、『無反応であることが拒絶のサイン』ということになるから、うっかりそういう態度をとってしまうことも致し方ない。

また反応すると逆につきまとわれるっていう日本の現状と経験から、シカトが最善の策と、素直に思えてしまう。

それと同時に、『反応したいけど、どう返していいのか分からない』という気持ち、そんなコミュニケーション能力の足りない自分を恥ずかしく感じている照れ隠しの笑い、なんていうこともあるかもしれない。

そういった日本では普通の態度が、ブラジルでは全く通じない。

無駄につきまとわれない為には、ちゃんと相手と対峙することが必要。

背を向けたらダメ。それは失礼。

背を向けたら食いつかれる。

視線をそらさずに向き合えば何事も無く終わる。

気づいて欲しい。

猫科の動物と同じ

ってことに。

ブラジル人は基本的にみんなトラ。体の大きなトラか、小さなネコかの違いだけで、肉食系に変わりはない。もちろん草食系なんていない。

一時期、ネコ7匹と暮らしてた経験から言うと、ネコは媚びないとか身勝手とか一般的に言われるけど、それはネコを自分の奴隷かオモチャか、自分の思うように都合よく動いて欲しいっていう願望フィルターを強くかけて見るから、望んでいない結果を目の当たりにしてネコをそう評価しているなぁと思えることがしばしばある。

人だと思って向き合ったら、印象ががらりと変わると思うよ。

ネコはちゃんと向き合う人には、好意的に接してくるし、理解ある行動をとる。

うちに居たネコなんて、例えば僕が食事のためテーブルに着くと、太ももに飛び乗ってきて、そこから首を伸ばしていったんテーブルの上を覗き込む。僕が食事をするんだと分かると、そのまま僕の太ももでうずくまって休みだす。

僕が箸を置いてふーっと一息つくと、食事が終わったことに気づいて起き上がる。テーブルをひょっこり覗いて、残っている物を食べていいか?というようにこっちを見る。いいよって目線を返すと、ソロソロと食べだす。

ある日自然にこういう行動をとりだすようになって、それに気づいてから、少しだけ残すように食べるようになった。

自分の都合だけで、好きなように嫌がるネコを撫で回したり、羽交い絞めにしたり、そういうことはしないし(拘束するのと遊ぶのとでは違うから)、かといって何でもかんでもいいよいいよで甘やかしたり、過剰に食べ物を与えたりすこともしない。だから、お互いに自分の生活範囲を犯さない接し方をしていた。

人間同士と同じ。

ナンパされた時も同じ。しっかりと拒絶することが大切。ちょっといやらしい態度でせまってくる奴には、いきなりビンタをかましても構わない。

とにかくはっきりとした態度をとることが大事。第三者からみても、あの人はいま拒絶しているなっていうのが分かるほど、はっきりと、大きく、態度に出す。

こうすることが、興味がない物売りを最速でかわすのには一番良いし、トラブルも起こりにくい。

そんなはっきり拒絶したら、相手が逆切れして自分が危なくないか?

と思うかもしれない。たしかに日本ならそういう心配をする必要があることは良く分かる。日本なら目があっただけで『なに見とんじゃボケー!』ってなる文化があるから(笑)。これは直接見ることが分不相応で失礼という古くからの考え方があるから仕方ない。

また、コミュニケーション能力が低いことから、言葉につまって発狂して豹変して突拍子も無いことをしでかす奴もいるから、あれこれと先のことを心配してしまうのも仕方ない。

だけど、相手と対峙して、言いたいこと、言うべきことをはっきりと伝えた時、ブラジルではそこで殴る蹴るの実力行使の争いになることはまずない。

なぜかって?

まず人と対峙した時のコミュニケーション、言葉のやりとり交渉、そういった部分がとても優れているため、発狂、豹変なんてことはまずない。普通に頭がよく回転しているから、ぶっ飛ぶってことはない。そうなる人は、本当に頭がおかしい人。

声を掛けた場合、相手が応じるのも当然だけど、断るのも当然。単純にそういう思考回路で、キレるポイントがそこじゃないんだよ。

実力行使で相手をどうにかしようとする時は、わざわざ相手と向き合って言葉のやりとりをするなんてウスノロマヌケな行動をとったりしない。気づかれないように包囲して一気に襲い掛かるか、不意に無言で武器をちらつかせて言うことをきかせようとする。

ハンターだから。

良くも悪くも武士じゃないんだよ。

だから、腕っ節に自身が無い人でも、女性でも、こわもての大男と対峙したってビビることはない。自分の意見はしっかり主張していいし、できる国だし、それが評価される国。

ブラジルは地域によっては犯罪が多い危険なところと認識されているし、実際その通りな面はある。だけど、危険はあるけど暴力的ではないんだよ。言葉でのコミュニケーションに長けている文化。そこを誤解していると、ブラジルを楽しめなくなってしまう。

力でねじふせられる時は不意にやられるから、こういう所で不要な心配をする必要はない。やられた時は自分の行動に油断があった、運が悪かったと思って諦める。もちろん用心はすべき。

そういう意味で、ブラジルは(特にバイーアは)『デカかろう、強かろう』な面白いことになってる世界なんだけど、基本的にはブラジル中どこへ行ってもちゃんと対峙する意識があるから、その場合の不意の暴力を恐れる必要は無い。


ブラジルで絶対にやってはいけないこと。

それは相手と対峙しない行為。

無視、シカト、嘲笑うかのごとくあしらう、照れ隠しで笑いながらコソコソ逃げる、そういった相手に背を向ける行為は失礼で絶対にやっちゃダメ。

自分の身を守る意味でも、きちんと相手と向き合って対応することが、ブラジルで楽しく生活するために最低限必要なこと。

ブラジルを楽しめ!



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おまけ。

靴屋とか衣類とかデパート以外の商店に入ると、お客さん一人一人に店員がついて案内するシステムのところもある。そうでなくても、基本的には店員とは『こんにちは』から始まるものもの。

本当に欲しい商品があって、それを探して店内に入る場合はとても助かるんだけど、その代わり、買う気が全く無い時にウィンドウショッピングし辛いっていうのはちょっと不便。

ブラジルでは、基本的に買う気がない時には店に入らない。まあ、用も無い所に行くなよってことで、当然といえば当然なんだけど(笑)。

暇つぶしに見てみたいって時あるじゃん!

慣れるまではムズムズする。

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