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ブラジルの楽譜に見るコード表記

 
2013-11-28 15:57 Good(0) Comments(0)
in Music - 音楽, How to - ハウツー
CM7 or C7M

ブラジル人の音楽家に向けた楽譜の中で使われているコード表記は、日本で見るものとは違うものがある。

ショリーニョやフォホーなどのブラジル音楽を演奏していく中で、そういった日本人向けに書き直されていない楽譜にあたることもあると思うので、僕が今まで見かけたものをここにまとめておく。いざという時に参考にしてもらえると嬉しい。


青文字が日本で見かけるコード表記、緑文字がブラジルで見かけるコード表記。

メジャーセブンスコード

C
M7


C
7M


「M」と「7」の書き方が逆になる。言語の違いによるところ。詳しくはこちらを参照。

サスフォー①

C
7sus4


C
7
4


シンプルに「4」とだけ書く。

サスフォー②

C
sus4


C
4


シックスナインス

C
9
6


C
6
9


日本では通常右上に書くテンションコードが、ブラジルでは右下に書く。


オーギュメント

C
+5
7


C
7
5+


または、

C
7
#5


ブラジルでは、コードネームの右半分の5th、7th、Tens. の位置が上下逆になっている。

例えば「マイナーメジャーセブンスナインスイレブンス」だとこう書く。印刷の楽譜なら「Cm7M(9, 11)」に書かれる。

C
m
7M
(9, 11)


日本での基本的なコード表記は以下の形をとる。様々な省略形があるけど、そういったものを雑な言葉遣いと同じく非礼な態度だと受取る人もいるので、そういった配慮が必要そうな人(楽譜破いたりペンで指をひっぱたくような怖い師匠など)には基本形で綺麗に書いた方が良い。絶対良い。

Root
5th
3rd
Tension
7th


ブラジルでの基本的なコード表記は以下の形。

Root
3rd
7th
5th
Tension




スラッシュ記号を使った例外的な表記

C6/9

これは「シーシックスナインス【C6(9)】」と同じ意味。

このスラッシュは「と(&)」の意味で用いられている。独立した楽譜(集)で使われているところは見た事がないんだけど、音楽雑誌のワンコーナーに掲載されているちょっとした楽譜や記事の中やインターネット上では見かける表記。僕は分数コードの省略形と被るから使わない。


ゼロ【0】を使った苦肉の表記

印刷物の楽譜では【C0】や【F#0】といったようにゼロを用いたコードネームが出てくることがある。

C
0


初めて見た時は「?!」となったけど、出ている音はディミニッシュ。

ディミニッシュを表す【○】が無かったのかな?



ポイント

・M7ではなく7Mと書く。+5は5+、-9は9-など。

・susは使わず4とだけ書く。

この2点だけ覚えておけばコードネームから音を全く読みとれなくなるということはない。

加えて、

・5thと7thの音と、テンションの位置が上下逆。

・♭、#の位置は同じ。Cb、C#、b13、#5など。

といったところを覚えておけばよりスムーズに読める。


最後に、日本と同じようにブラジルにもコードの書き方には様々なバリエーションがあるから、ここにまとめていることが全てではない。

こんなのもあれば、

C
(
add4
omit5
)


こんなのもあるし。

C
7M(6)


解釈的にどうかはさておき、いろいろな書き方があるから楽譜を見るだけでも楽しい。

ただ、コピーする時は原曲を聴いてその音を参考にして欲しい。


ブラジルのコード表記は逆



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おまけ。

ひっかけ問題。

下記のコードネームのアルファベット「C」は何を表しているか?

C


答え

ルート(根音)のド。

ド・ミ・ソの和音という答えは間違い。コードネーム「C」の構成音はド・ミ・ソだけど、コードネームの一部分のアルファベットの意味はあくまでルートのこと。

そのアルファベットの右横に書かれる「3rd」や「5th」の音が省略されることで、コードネームとしてとらえた時にそれが「ド・ミ・ソ」を表していることになる。

Root
5th
3rd
Tension
7th


3rd と 5th を省略することで、3rd は長3°、5thは完全5°を表すことになるから、それがメジャーコードを表すことになる。

Root
省略
省略


マイナーコードの場合は 3rd の場所に「m」と書いて、3rdの音が短3°であることを示さなければいけない。省略は出来ない。

Root
省略
m


理論の本やネット上でも「3和音を表している」から始まるものが見られるから、独学でポピュラー理論など始めた人は間違いやすいところかもしれない。


音楽やってる時はこういう理論的な話ってまず出ないんだけど、酒の席でごく稀に出る場合があって、そんな時はみんな学生気分になって妙に盛り上がる。絵描きさんも同じく。

宴会芸の一つとしてしっかり覚えておくことをおすすめするよ。

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