BLOG
ブログ

音楽の世界で真に受けてはいけないセリフ

 
2014-01-31 12:28 Good(4) Comments(0)
in Music - 音楽

音楽をやる中でいろんな人にいろんな事を言われる。

「へぇー、そうなんだぁ・・・・」と一旦は受け入れて実践してみるんだけど、最終的に『それ違う』と思ったことがある。

それを書く。


だいたい3時間(週間、年、回などなど)

「○○が出来るようになるまで、だいたい3年掛かるかな~」とか、

「3時間もあれば作れるんじゃない?」とか、

そんな言い回し。

年上が年下に、上司が部下に、師匠が弟子に、専門家が素人に、経験者が未経験者に、という間柄で出てくることが多い言い回しだから自らの体験に基づく意見かと思いきや、「3」て数字を出して予想を語っている時は十分な体験もデータも無いのにその場のノリでいい加減にしゃべってることが多い。

「分からない」と言うより、何かしら言った方が良いという感覚なのかもしれない。

観光客に道を尋ねられた時に、知らない場所なのに知っているかのようにデタラメを教えるどこかの国の人みたい。

尊敬の対象だったりするとつい鵜呑みにしてしまいがちだけど、自分で考えずに言われたとおりに「よしっ、じゃあ自分も3時間を目安にやるか」とすると、本当は1時間で出来る能力を持っているかもしれないのに、無駄な時間を掛けることになって勿体無い。


ちょっと弾かないだけで下手になるのは、本当に上手い人じゃないから

そんなことはない。

僕が知る限りこういう事を言っている人は、その時点で極限までクオリティを追求するということをしていなくて、「ある程度」できるというところで満足している。だから、ちょっと弾かなくても「ある程度」よりクオリティが下がる事はそうそう起きない。

日々、可能な限り追求している人だったら、一日サボっただけでわずかに落ちる技術や感覚の変化には気づく。

演奏に限らず身近なところでいうと、「言葉」もそう。

日本語が聞こえてこなくて日本語をしゃべらない環境にいると、一年も経たないうちにポロポロと単語が出てこなくなる。

「運動」でもそう。

最後に全速力で100m以上走ったのはいつだったかと考えると怖ろしい。久しぶりに全力疾走すると手と足がバラバラに動くんだよ・・・・。

日ごろから繰り返しやっているからこそ維持発展できる。やってないことはだんだん出来なくなる。

そういえば、日常的にやらなくても大丈夫みたいな事を初めて言われたのはスキーの時だった。

どこかの大人に「一年空いても滑れるよ。一度やったことは忘れないって」とかなんとか言われた。

たしかに一年ブランクあってもゲレンデに行けば滑れる。ボーゲン、パラレル、その程度は。

その程度なら。


一を聞いて十を知れよ

これが出来る人はとても素晴らしい。実際に出来る人はいる。

っていっても、これは行き過ぎると一を言う側の人間の怠慢になる。

物事をちゃんと伝えるっていうのは、例えば会社でいえば上の人間の職務のはずなんだけど、その人が下の者に対して「いちいち言わなくても分かれよ・・・・チッ」とか言って業務連絡を怠ったらそれは職務怠慢。

何度も何度も同じ仕事を繰り返しているのに学習してない状態なら分かるけど、以前に似たような仕事を一度やったからというだけや、一方的な常識だけでこういう考えを押し付けるのはとても乱暴に感じる。

「相手の立場になって気持ちを察する」という日本の素晴らしい文化が悪い方に作用しているように見える。

悟り合うのも独特の一体感があって素晴らしいけど、いちいち言葉を交す方が賑やかで楽しいから好き。


アドリブ

初めてアドリブなんていう言葉を知った時は、「その場のひらめきで即座に作曲をする → 毎回毎回違う演奏になる → 神業だ」というイメージを持っていたんだけど、色んな音楽家と接するうちに「アドリブ」というものにある一定の条件があるわけではないと気づいて葛藤が始まる。

どの程度の演奏をアドリブ、即興演奏というかは人によってとても違う。

例えばジャズを演奏する人たちと一緒にいると、こんな言葉が出てくることがある。

「いやぁ~、もうネタ切れッス」

もうアドリブできないという意味。

「即興演奏」なのに「ネタが尽きた」とはおかしな話だ。

また、演奏する原曲が同じでも、演奏する時間、場所、体調、お客さん、メンバーなど違う要素の方が多いにも関わらず、毎回同じフレーズを演奏する人もいる。

自分の知識としてある複数の物を組み合わせて出すのが「作る」ということで、即興とはそれを短い時間で行うこと。

だから同じようなフレーズを毎回演奏していてもおかしなことではないんだけど、そのパーツが例えば1コーラス分丸々あったとしたらどうだろう。

1コーラスA、1コーラスB、1コーラスC・・・・と用意されたものを順番を変えて出すだけだとしたら、それは即興演奏、アドリブと言うの?って疑問に思ったこともある。

答えは単純で、言うんだよ。それもアドリブ。

ターターターをタータタターと一音変えただけでもそれはアドリブ。

違う曲でも同じコード進行が来た時に同じフレーズを弾いてもそれはアドリブ。

もっと言えば、ブルースというだけでどんな曲でも必ず同じフレーズを弾いてもそれはアドリブ。

そうなると、ビリーズ・バウンスで始まってブルー・アンド・ブギーで終わるのもありだよ。

ジ・アイ・オブ・ザ・ハリケーンで始まってジャイアント・ステップスで終わっても気づかない人もいるかもしれない。

「次の曲は、テイク・ファイブです」と言ってミッション・インポッシブルのテーマを演奏しても即興によるアレンジってことで通るかも。

一瞬で無から作り出すなんていう神がかった行為ではなく、作りこんだ演奏を一音変えただけでもそれはアドリブだし、何一つ音を変えなくてもテイクが違うだけでもそれはアドリブといえる。



長くなったからこのへんで終わる。


ブラジルの音楽ライブ事情



THE REAL BOOK - VOLUME 1 Sixth Edition For All C Instruments
Amazonで見てみる
THE REAL BOOK - VOLUME 2 (C INSTRUMENTS)
Amazonで見てみる

この記事を気に入ったら下の【Good】ボタンを押そう。
4
このエントリーをはてなブックマークに追加
Sponsored Links

Leave a Comment - コメントを書く

Name(required) - Nome(obrigatório) - お名前(必須)
Email(required, will not be published) - Email(obrigatório, não será publicado) - メールアドレス(必須、非公開)
URL - ウェブサイトURL
Comment - Comentário - コメント

Type the code from the image. - Digite o código exatamente como na imagem abaixo. - 下の画像の英数字を入力してから【確認】ボタンを押して下さい。

オリジナル曲弾き語り



Sponsored Links
Recent Comments
最新のコメント
  • そる: 初めまして。随分前の記事にいきなりのコメント投入、失礼します...


  • Laura Mendel: Dear Sir,Your crow pictures ar...


  • masahiro: この記事わかりやすくてとても参考になりました。一週間ほど前か...


  • Kaaatsu: はじめまして。ペンタQから60D入手の流れが自分と一緒で、嬉...


  • SeikoSaizan: はじめまして。お世話になります。スナップ撮りを中心にPENT...


  • bamboo: 写真入り助かります!!


  • 田中敏充: 初めまして。私もQを使っていまして、画質などに関する感想は主...


  • cyclops: ほかの関連する記事も見ましたが、とても参考になりました。


  • 白井賢人: はじめまして。凄く楽しい写真ありがとうございます。2012年...


  • 白井賢人: ムケカは二回、渋谷で食べたことがあります。トゥッカーノという...


Sponsored Links