最近ベースコートを爪に塗らなくなったという話題を掲載した。

なぜ塗らなくなったかというと、プレイスタイルを変えたこと、弦を変えたこと、愛用のベースコートが売り切れだったこと、これら3つの偶然が同時期に起きたから。三回も偶然が重なったからそのまま自然の流れに身を任せた。

そんな中昨日、砧公園でヴィオロンを弾こうと出かける際、ギターケースのポケットにこんな物が入っているのに気付いた。

新品のベースコート！

びっくり。ストックがまだあったんだ。

もう塗らない爪での演奏に慣れたから必要ないけど、もしこれに気付いてたら、まだベースコートを塗っていたと思う。

このストックに気付かなかったのも大きな縁だ。ひっそりと気付かないところで偶然が起きていたことに、やっぱり神のお告げかと、、、(笑)いや、なんかこう転換期なんだろうとより強く感じた。

4つも偶然が重なるなんてこと、そうそう無い。いい思い出になった。

そういえば、ブラジルに移った時も奇妙な偶然が重なっていた。

飛行機の中で僕は3人掛けの真ん中に座っていた。左隣はブラジル人で日本サッカーのクラブチームのコーチ、右隣にはブラジル文化の専門家が座った。神はどんだけ僕にブラジルを与えてくる気なのか(笑)。

おまけにその飛行機内は、立食パーティーみたいにいろんな国の人が飲み物片手にあっち行ったりこっち行ったりして気軽にコミュニケーションをとるという楽しさ。こんな楽しい飛行機の旅は初めてだった。

更に乗り継ぎでリオからバイーアへのブラジル国内線のGOL（ゴル）の機内では、オレンジと白が目立つ制服を着た可愛い客室乗務員たちが救命胴衣の説明の際、アナウンスに合わせて軽くダンスを踊ってるように説明するから、お客さん盛り上がっちゃって盛り上がっちゃって拍手喝采の大歓声。すすきののオカマバーに居るんじゃないかって錯覚するぐらい。救命胴衣の説明で盛り上がる飛行機なんて初めて乗った(笑)。

しかも着陸した時にも拍手と歓喜の雄叫びの嵐。まるで死地から生還したかのような盛り上がり。『ブラジル面白いなー！』って思いつつバイーアの空港へ到着。

ま、良いことばかりじゃないよ。リオの空港で乗り継ぎの際にボッタクられたし、バイーアの空港では迷子になったんだから。

でも、その迷子の日本人を助けてくれたのが現地のミュージシャンなんだからこんな素晴らしい偶然はない。

おかげでバイーアでの音楽活動はとても快適にできた。巨大な感謝。

日本で音楽関係の仕事を探し始めた頃から感じてた。やっぱり『運』って大事。

実力もやる気も根性も性格も、大抵の人は必要なだけ全部持ってるんだ。その中で何が命運を分けるかといったら、タイミングや出会いといった事全てをひっくるめた『運』。

こうやっていくつもの偶然が重なった時は、全ての運と関わった人に感謝してその流れに身を任せるのも、時にはがむしゃらに突き進むよりも良い結果をもたらす。そういう選択をするのもまた『運』。

爪にしっかりと着いたベースコートを剥がす時、少しの迷いはあった。見落としてる事があって、そのせいでこの判断が間違いだったと確定したら、新しいベースコートを手に入れるまで数日弾けなくなるなぁ・・・なんていう心配。でも、失敗するイメージが全くなくて、取るのがごく自然な事のように感じた。だから取った。なんか気持ちがすっきりした。

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