一月、お正月気分がすっかり抜けてすぐやってくるのが成人式シーズン。街中には着物や袴姿の新成人が見えて華やかな雰囲気が楽しい。そんな光景を見つつ、、、

『いやー、懐かしいなー・・・』

、、、とは思わない。

だって僕は成人式に行かなかったから。

単純に数字だけ見て『２０年経ったので、あなたは今日から大人です。社会人です。しっかりやれよ。』と言っているようにしか聞こえなくて、そんな数字で割り切れるもんじゃない事を割ってやってるのがとてもアホらしく感じられて興味を持てなかった。

大人かどうかなんて、その人のこれまでの体験と中身で決まること。そこをすっとばして、年齢という数字だけみていい加減に人を分類してる事実に、何やら厳かそうな理由をくっつけて形式ばった式典を成人式といってやってるから、全く共感できない。それなら今後適用される日本の法律上の義務と責任の案内を郵送してくれるだけで十分。

それに、わざわざ皆一緒にやる必要がない。一緒にやりたい当人同士だけが集まって自分たちだけで酒を飲み交わすもよし、身近な大人がしきって祝いの席を設けるもよし、家族単位でやるもよし、というのが自然な感じがする。実質ただの同窓会になってるだけの式典を、人が集まりそうなエサを付けてまで税金使ってやる必要はない。

死生観を当たり前に持ち、寿命が短い時代や集団では、例えば日本の元服の祝いや、どこかの民族の中で執り行われるような成人の通過儀礼は、神聖で気持ち的にとても意味があるものだろう。そういう中でなら、きっと僕は成人式に参加している。

けど、日本の成人式ってそんな厳かな雰囲気は少ない。

僕の時代、約１５年前の成人式では既に、会場で雑談ばっかりして式など気にも留めてない奴が大勢居たり、舞台に上がって暴れるようなアホが居たり、という報道が当たり前のように流れていたし、直接聞こえてくる声は『チョー盛り上がったよ(笑)』とか『誰も話聞いてねーし(笑)』とか『出入り自由で皆立ち歩いてるし(笑)』とか『っていうか会場に入らなかったし(笑)』とか、そんな感じだった。

そういった日本の成人式にどういう心持で臨むかは本人次第だから、人によっては自分なりの意味を持てて有意義なものになるはず。子供の数が少ない田舎ではちゃんと行われていそうだし、基本的にどこでもそうであって欲しい。

で、同級生らが成人式の会場でワイワイ遊んでた頃、僕は何をやってたかっていうと、、、家で寝てた。いろいろ忙しくて寝不足な日々だったから。会場に居た友人から電話で起こされた。『あれー？会場にいるー？どこにいんのー？』って。『いや、家にいる。』って言ったら、信じられないというふうに爆笑してた。

たぶん、『成人式』っていう呼び名じゃなくて、

『20でキリがいいから集まって飲む会』とか、

『もうやんちゃじゃ済まないぞ。知っておきたいオトナの20の法律勉強会（酒持ち込み可）』とか、

『とりあえず駆けつけ20杯（理由なし）』

とかだったら行ってたなー・・・。

それにしても、もうちょっと法律上の成人の年齢を下げてもいいと思うよ。

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