昨夜12月10日の夜から今日12日にかけて、皆既月食があった。月が空の高い位置にある時に月食がおき、土曜の夜、寒い冬で気温が低く空気が綺麗という、またとない好条件で見られる月食だった。

その皆既月食を楽しむために、寒さに負けないように十分な厚着をして近所の公園に出かけた。

まだ月食が始まっていない8時ごろ。綺麗な満月だった。

まだ僕が撮影していた場所には誰もいなかった。2,3人はいると思ったんだけど。そのひと気のなさが寒さを際立たせていた。

本当に寒い！

天体観測は子供の頃から好きだったし、今でも興味あるからずっと見ていたくなるけど、流石にまだ早いから一回帰った。月が暗くなり始める半影食の始まりは8時30分ごろから。まだ30分もあるから、ちゃんと撮影できているかをパソコンでチェックするためにも一度帰宅。徒歩1分の場所だから、こういうことが簡単にできる。

それも今回の皆既月食が月がほぼ真上にある状況で起こるために、都心の住宅街の公園からでも容易に見られるから。本格的に山奥や開けた場所で観測できない人にもありがたい、本当に好条件の皆既月食。

家でパソコンに流し込んで写真をチェック。皆既月食の撮影に使っているカメラは、EOS 60Dと、EF-S55-250mm F4-5.6 IS IIの中望遠レンズ。

チェックして良かった。オートフォーカスで撮っていたものは全部ダメ。ピントの山が月にぴったりきていない。このオートフォーカス機能の限界みたい。マニュアルで合わせたものはパキッとピントの山がきていて鮮明だった。それと、満月でのシャッター速度は1/500秒が程よい明るさで良いと分かった。パソコンでチェックしていなかったら、基本的にオートフォーカスで撮っているところだった。あぶないあぶない。

※後日、満月の写真撮影の方法を、『満月の撮り方』にまとめた。

さて、半影食が8時30分ごろに始まり月がボヤッと暗くなり始める。それから9時45分ごろ、月が欠け始める部分食が始まる。下の写真は10時ごろの月。半分弱欠けているところ。

日の出や日の入りの太陽もそうだけど、何か目標がある中で天体を見ていると、動きがはっきりとわかる。この部分食も、地球の影が月にかかって、月がみるみる欠けていくのが分かって面白い。分かっているけど、見るたびに不思議な気持ちになる。

そして皆既食が11時ごろから始まった。夕焼けと同じ原理みたいで、月が赤く見える。とても幻想的。月が完全に地球の影に入るピークは11時30分ごろ。下の写真はそれをちょっと過ぎた頃。11時50分ごろの月。

月の左下あたりがほんのりと黄色く明るくなっている。黒、赤、黄色、白の色の変化がとても綺麗。

月明かりが弱まるため、周囲の星もよりはっきりと見え始める。月のすぐ近くにあったオリオン座はすぐに発見できる。小さい星も普段よりよく見える。

そして徐々に月が明るくなっていく。これは日付が変わって今日の深夜1時ごろの月。

まだ赤い部分は肉眼でもわかる。それを太陽の光が焼き潰していくように見える。

そしてまた満月に戻った、、、だろう。寒いし、もう満足したので皆既月食観賞はここまでで終わりにした。

月食の始まりの頃は公園には誰もいなかったけど、皆既食が最大になる頃には5,6人になった。また、街を歩く人たちは時々夜空を見上げて月食を楽しんでいた。少し街中を見渡すだけで、今回の皆既月食を気にしていた人をちらほらと見かけることができた。僕も十分楽しんだ。

また、天気に恵まれた。途中でデカい雲の一団が月を隠して通りすぎたけど、それだけで、あとは少しの雲はあるけど全体的にすっきりした空だった。

観測の好条件に恵まれた2011年の皆既月食、こんな感じで楽しんだ！

写真撮影に関していうと、EOS 60DよりもPENTAX Qで撮りたかった。月食を見れば見るほど『PENTAX Qならあんなふうに撮れるなぁ・・・こんなふうに撮れるなぁ・・・』なんていう思いが膨らんでいった。

それと、月食が進んでいって暗くなればなるほど撮影が難しくなっていった。満月に近い月ほど鮮明に撮れてるんだけど、月食の最大に近づけば近づくほどぼんやりした写真やノイズが多い写真が多い。ひたすら鮮明な記録写真を撮るなら、お金をかけるしかないと痛感した。

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おまけ。

満月に照らされる銀杏の葉っぱ。月食のアップ以外にも、月を入れた風景を撮って楽しんだ。

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