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親しき仲にも礼儀あり

 
2011-09-27 14:23 Good(0) Comments(0)
in Languages - 言葉, Japan - 日本

ブラジルにも他の国にもその文化圏における教訓を端的に表したことわざというものがある。この記事のタイトル『親しき仲にも礼儀あり』もそれで、日本ではとても有名なことわざ。

何歳の頃だったか詳しくは覚えてないけど、この『親しき仲にも礼儀あり』ということわざを子供の頃から好きで覚えているから事あるごとに頭をよぎる。

このことわざ自体はちょっと気心が知れ始めた時点からの事を言っているけど、『~にも~』だから、これを常に心に持っていれば関係の程度に関わらず役に立つ。

日本ってとても沢山の決まり事で首を絞めあっているのが日常的になっていて、その反動からか、それを取り除いてしまうと極端にずうずうしい方に豹変してしまいがちな民族性を感じさせている所がウマイ!って感じでちょっと笑っちゃうんだけど(笑)、このことわざの最も凄いところは、人付き合いの中で大切なことをギュギュギュッと凝縮して核心をついているところ。

本当に素晴らしい言葉。

日本語の『です。ます。』といった丁寧な言葉遣いや、『ありがとう』などの感謝の念を持ってそれを伝える姿勢、相手の状態を気遣う姿勢などなど、いろいろ含んでいる。


僕は、割と言葉遣いについてはどうでもいい。ちょっと気心知れてくれば会話の流れの中で敬語が出なくなることなんていくらでもあって、それは自然体になって話が出来るように関係が少しずつ前進している良い表れだと僕は捉えている。

決して、命令したり強要したり汚い言葉を使ったり小馬鹿にしたような物言いをしたりというように、乱暴に、横柄に、ぶしつけになって良い、という意味ではない。当然ながら、秩序のある自然体のこと(笑)。

丁寧な言葉を使っていたって、相手に対する気持ちが言葉という形に表れているのか、それとも単に上っ面だけなのかということはその人全体から感じとれることだから、言葉の形ばかりを注目してもその人との関係は何も前進しない。


人付き合いの中で僕が重きを置いているのは、『こんにちは、元気?』、『じゃーね、ばいばい。』、『ありがとう』、『ごめんなさい』と伝える姿勢をしっかりと持ち続けること。

例えば、人が出会った時に挨拶をするのは、相手の状態を気に掛けているから。『今は元気な顔してるかなー?』なんて思う。

声を掛けることも掛けられることも、居ることを分かっていて無視をするより全然気持ちが良い。


例えば、一つの出来事の中でチョコチョコと摩擦が起きる相手でも、その出来事が一区切りついた時には『ありがとう。』としっかりとこっちを見て気持ちを伝えてくる人だと僕は敬意を払えるし、安心して第三者にも紹介できる。

時間にしたらほんの数秒の行動。この最後のちょっとしたやりとりで『あれもこれもまーいいじゃん』ってことに思えてお互い気持ちよく別れられる。

逆に、面白おかしくしゃべってその場にいる人たちをどんなに楽しませたり気持ちよくさせたりする人でも、別れ際に近い距離できちんと相手と向き合って『今日はありがとう。それじゃーまたね。』等と気持ちを交わすことを疎かにしたら、僕はその人に対してとても敬意を払えないしその人への興味も薄れていく。初対面の人であれ、馴染みの人であれ同じ。

その日楽しく過ごしたとしても、その気持ちよさが全部吹っ飛んでしまうぐらい残念な気持ちになる。これは音楽でも同じことで、最後の一音がダサいと、それまでどんなに素晴らしい演奏をしていても、最終的な印象がガッカリってことになってしまう(笑)。


僕がこういう軽視した態度をとられた場合、まず『なぜ自分はこういう態度をとられてしまったんだろうか?』と自分の行動を振り返りながら考えてみる。

それでもこういうのって、割と馴れ合いの中で発生することが多くて、そしてその度に『親しき仲にも礼儀ありだなぁ・・・』ということわざが頭に浮かぶのと同時に、自分も気付かないうちにやってしまう事があるかもしれないから気をつけようと思う。『けじめをつける』ともいう。

もちろん、一度こんなことがあったから『ハイ、サヨーナラ』なんて事は決してないよ(笑)。良いことも悪いことも積み重ねて付き合っていくものだから。そんな簡単にハイサヨーナラされたら、間違いなく僕は年齢一桁の頃に人生終わってた。


これら出会い、別れ、感謝、謝罪みたいに分けるといろいろあるように思えるけど、実は根っこは一つだけ。

相手を尊重して、相手の方を向いているか。

これだけ。

これこそ僕が常に心に持ち続けて常に自分に対して投げかけていること。

この気持ちを持てなくなっていると、例えば相手にかける言葉が出てこなくて上手く会話ができなくなったり、相手の話を最後まで聞かずに途中でさえぎって誤解したまま否定しにかかったり、上に書いたような最低限のコミュニケーションでさえ怠ったり、『話し合い』ではなく『貶し合い』の物言いになったり、返す言葉の多くが揚げ足を取る形になったり、相手が傷つくような言葉や態度を簡単に出せたり、言わなくても自分の考えを理解しろっていう態度をとったり、自分に対して敬意を払うことを相手に暗に強要したりといったように、こういう感じで表れてくることが多い。

『親しき仲にも礼儀あり』ということわざは、人付き合いはまず相手を尊重することからだという核心をしっかりと突いている。

だから僕はこのことわざがとても好き。


原稿用紙10枚程度のこの記事。挿絵が一つも無いのに最後まで読んでくれてありがとう!

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