上野動物園にいってPENTAX Qの練習をしている時に、ガラスに映る人影を何とかしたいと思っていた。これを解決するパーツがPLフィルター（偏光フィルター）と呼ばれるもので、特定の方向からの光をほにゃららすることで、ガラスや水面に反射する像を写らなくする。PENTAX Q用にもPENTAX 100 PL FILTERというPLフィルターが出ているから、それを買って屋外撮影で使ってみた。

実際に使う時には、PLフィルターをクルクル回して、消したい像の方向に合わせて、丁度良い効き具合の所に調節する。合うとガラスに映りこんでいた人影などの余計な像がスゥーっと消える。これは面白い。

『おおー！いいねいいねー！』って思ったのもつかの間で、このPLフィルター、掛かり具合がとても限定されていることが分かった。

例えば、右側から映りこんでくる像を消そうと思っても、右側の像はしっかり消えるけど、右上や右下の像はうっすらと残る。本当に見事に『一方向からの光をほにゃららする』という感じ。そこからずれるにしたがってグラデーションのようにだんだん写りこみが出てくるという効き具合。

下の写真は、上野動物園で撮影したもの。

上野動物園のゴリラでのテスト。これは正面に立っている僕の像がガラスに写っている。正面からの写りこみは全く消えない。

不忍池でのテスト。蓮の写りこみが消えるかと思ったけど、全く効果を確認できなかった。

下の水槽を写した写真は、左がPLフィルターを付けていない状態で、右がPLフィルターを装着した状態。

左の写真は写り込んでしまっている天井のライトがタガメにかぶっているが、PLフィルターを装着して撮った右の写真は、タガメにかぶっていたライトの反射が少し消されて、タガメがよりはっきり見えている。

下の水面を写した写真は、左がPLフィルターを付けていない状態で、右がPLフィルターを装着した状態。

左の写真は青空が反射して青みが強く、右の写真は青空や木や丸い建物が少し消されて水底のタイルの色がよりはっきり見えている。

下の青空を写した写真は、左がPLフィルターを付けていない状態で、右がPLフィルターを装着した状態。

左の写真は青空の青色がほぼ一定に広がっているが、右の写真は左側に行くほど青色が濃くなっている。これが反射を抑える以外のPLフィルターの効き目で、コントラストを高める効果。

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PLフィルターの効果を発揮させるには、角度がとても重要だということと、逆光では全く効果を出せないことも分かった。

僕はPLフィルターというものを使ったのは初めてだから、他のものもこういう感じなのかどうかは知らないけど、『像を消す』という効果だけをみると、期待していたほどの効果はなかった。だけど、撮った写真をパソコンでトリミングする場合のことを考えるととても役立つパーツ。

僕は『この程度でも合った方が全然良い』と思ったのと同時に、トリミングなんていう作業をしないで写真を楽しむ立場からすると『これならいっそのこと無くてもいい』とも思えた。写真を撮る目的によってどちらにも転ぶ限定的な効果だった。

とはいえ、値段が安いし後学のためを思えば買ってよかった。今後もPLフィルターを活用していく。

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