ブラジルでも街中の壁に落書きを見ることができる。ただのアホっぽい落書きもあれば、風刺的な落書きもある。

そんなブラジルにあるブラジル人によるストリートグラフィティを見て、僕はこんな印象を持った。

日本のアニメみたい

なぜそう思ったかというと、例えば上の写真の落書きでいうと、青いペイントで描かれた女の子の落書きに注目。クローズアップした下の写真を見て欲しい。

この女の子の目、顔の大きさに対してとても大きく、瞳の輝きまで描き込まれている。

キム・インポッシブルやシンプソンズみたいに、アメリカのアニメキャラクターでもこういうデフォルメした描き方をするけど、この青い女の子の絵は日本のアニメの影響を受けているように見える。

一方こっちは、僕が小学生だったころよく描いていた絵にそっくり(笑)。

線だけで体を表現する描き方は、誰しも一度は実践した経験を持っているかもしれない。

僕は小学生のころはこんな絵をよく描いていた。『描く』というより『書く』に近いイメージだ。

もしかしたら、こういう人の描き方は万国共通なのかな？

他の落書きはアメリカやヨーロッパ方面の影響を感じる絵になっている。この落書きを見たとき、日本のアニメの影響を受けている感じがして、実は僕はとても残念な気分になった。

自分がよく知る日本のものが違う文化圏にも影響を与えているのは凄いことだし喜ばしいことではあるけど、もっとブラジル独自の落書きを見たかった。

そういう意味でガッカリした。

ちなみに、この絵が地元のブラジル人による落書きだと決め付けているのは、実際に描いている現場を見たからじゃない。『SiNPLeS ASSiM!』なんてブラジルポルトガル語が描かれていることと、この場所があまり治安の良い場所じゃないことから。昼間は人通りがあるから描けない。観光客が夜に描いたとしたら、描き終わる前に地元の悪いことしてる奴らにどうかされちゃって描き終われないだろうから(笑)。

もう一つおまけに落書きを紹介する。日本のアニメの影響云々は関係ない。

これは、笑っちゃいけないんだろうけど、笑っちゃった、、、、爆笑しちゃった落書き。

これってたぶんキリストだと思うんだけど、両手を縛られていてもしっかりと顔を上げている勇ましい絵は、もともと壁に描かれているデザイン画。そこに誰かが黒のマジックでキリストの頭の上に『？』を落書きしてしまったために、堂々たるキリストが物凄い頭弱そうな感じに変わり、とてもおかしな雰囲気になってしまっている。

この塀のデザイン自体が全く別のストーリーを持ってしまったかのような豹変振りに驚くとともに、おかしくて腹筋が壊れそうなほど笑った。

ハテナマークたった一個の威力がこんなに大きいことを、僕はこの時初めて知った。

ブラジルではアニメ（アニメ調の絵やキャラクター）というもの自体は、それほど日常生活に浸透しているものではない。日本みたいに街頭のポスターには美少女キャラ、地域のキャラクターはゆるキャラ、お米は美少女パッケージ、大企業のCMはアニメ、自衛隊募集は萌えポスター、、、、どこもかしこもアニメで溢れかえっているという国ではいないから、普段、街中でアニメ調の絵やキャラクターを見かける機会はまずないけど、こういう壁の落書きとか、子供向けの場では見かけることがある。

ジワジワと日本アニメが影響を及ぼしている感じがするし、これからもっともっと影響が大きくなっていくような気がする。

こういう状況を目の当たりにすると、遠くの土地と瞬時に情報を共有できる技術は凄いけど、それによってごく短い時間の間にみんな似たり寄ったりになってしまい、地域の個性が薄れてしまうことについてはとても残念。

ブラジルへ行った際には、ちょっと街中の壁に注目して、こういったブラジルのストリートグラフィティを探してみて欲しい。こういう落書きは街中の雰囲気を殺伐とさせてしまっているから良くない事だけど、絵自体はとても上手くて感心する。

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おまけ。

これは間違いなく日本のアニメの影響だろう。

ブラジルの有名女性ポップシンガー、ケリー・キーのCDジャケットの写真の中で、彼女が着ているTシャツのプリント。

とてもアキハバラを感じる。

ケリー・キー(Kelly Key)は、男子大学生がこっそり好き、っていう感じの歌って踊れるアイドル。今はどうか知らないけど、6,7年ぐらい前はそうだった。

いい歳した大学生が恥ずかしそうに『ケリー・キーも、、、、好き(笑)』って言うんだよ。

一度だけ生放送のバラエティ番組の中でそのパフォーマンスを披露しているところを見たことがあるんだけど、すっごいクビレで、お尻がグイングインとグラインドする破壊力抜群のダンスでとても楽しかった。

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