時々お金を持っていくのを忘れて、着いた先で大変なことになることがある。

お金を持たずに飲食店で食事をしたことが何度か…。もちろん食い逃げしようと狙ってるわけじゃない(笑)。

歩いていける範囲のお店なら、お金を持たずに出かけてしまったのも分かるし、近くならちょっとごめんなさいしてすぐ取りに帰って払えるが、そうじゃない場所、例えば電車に乗って行く時もやらかしちゃうから自分でも驚く。

だって帰りの電車賃も無いんだから。その時は一緒に居た友人に借りて事なきを得た。

お店や一緒に居る人にも迷惑をかけてしまうんだけど、もちろん自分も痛い目にあう。

悲惨だったのは昨日。

池袋から祖師谷へ帰ろうと改札口でパスモをピッ。・・・ガシャーン！って、ゲートが閉じてしまった。表示された残高90円。これでは電車に乗れない。

僕はお財布を持っていない。お金はポケットにねじ込む。カードもねじ込む。手軽でいいんだ。お財布だとなんだかんだと膨らんで荷物って感じになるからあまり好きじゃない。

この時持っていたのは、パスモ、運転免許証、家の鍵。で、持ち合わせのお金が無いってことで、歩くしかない。

歩いた歩いた。暑い昼時。気温は35度を越えていて陽射しが強く、おまけに都心だから変に熱気がこもっている。排気ガスも酷い。

更に悪いことにビーチサンダルを履いていた。スニーカーなら楽だったんだけど、ビーチサンダルでアスファルトの道路を長時間歩くのは、とても足にくる。

距離は考えてなかった。なんとなく頭に地図を浮かべて、『…南西方向に進んでいけば、まぁ行けるだろ…』って感じ。

いきなり最短距離で行こうとするのは迷子になる危険があるので、韓国街で有名な新大久保駅までは山手線沿いに進んだ。都心は大きな通りから一歩中へ入ると昔ながらの狭い入り組んだ道路になることがあるから、ちょっと距離が増えてしまっても目立つ道から行った方がいい。

池袋駅を出発した時間がだいたい12時ごろだった。太陽の位置を気に掛けながら、目印になる建造物、大通り、線路に注意して進んだ。

昔車の運転をよくしていた頃に覚えた道路地図を必死に頭フル回転で思い出した。

途中公園で飲める水がとても美味い。昼飯も食ってなかったからなおのこと。

足首やら膝裏やらいろんな所が痛くなってくる。休み休み行った。

ブラジル生活での楽しいことを沢山思い出した。頭の中で曲もいっぱい歌った。

いろいろいろいろ葛藤しつつ、環七に出てまず一喜び。続いて世田谷区に入って喜び、小田急線梅ヶ丘駅に出て喜び、経堂駅で喜び、環八で喜び、祖師谷の家に到着。

夕方5時ぐらいだったか。この炎天下でビーチサンダルでよくたどり着けたと感心した。疲れすぎて食欲無い。シャワー浴びて布団敷いて寝た。

こういう困った時は交番でお金を借りればいいんだけど、でもそこまで困ってないって感じたからやめておいた。歩くことにした。

おかげで今日は下半身のいろんなところが筋肉痛。普段からちょこちょこ運動していてよかった。たぶん何もしてなかったら体壊してたと思う。

これからも普段から欠かさず運動はしておこうと強く思った。素敵な東京観光だった。

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