親切とか慈悲深いとかいう性格の話ではない。良い人とは、いわゆる普通の人。悪い人とは故意に他人に危害を加えるような人。

普通に街中を歩いている人が突然刃物を振回して通行人に襲い掛かったり、普通に街中を歩いている人が通行人の持ち物を奪い取ったりなんて事件が日本では起きる。

『普通に街中を歩いている人』っていうのは人前に出ても恥ずかしくない当たり前の服や靴を身に着けている人。良い人と同じ格好をしている。これだから良い人と悪い人の見分けがつきにくい。

さて日本政府が危険地域に指定している町を持つブラジルだとどうか。

ブラジル北東部のバイーアだと、上半身裸で短パンに裸足だと悪い人である確立が高い。上半身裸はよくあるし僕も店に入る時以外は裸でいることが多かった。だからビーチサンダルすら履いていないかどうかというところを特に注目していた。

ちなみに第一声が「オウ！アミーゴ！」だったら全員無視することに決めている。そんな集団に強盗に遭ってるかだ!（強盗に遭うまでの過程で油断や判断ミスといった浅はかな行動をとってしまっていてとても落ち込んだものだ。）

リオ・デ・ジャネイロではどうか。引っ越した当初、不動産屋の従業員が僕にこう言った。「ランニングに短パンにビーチサンダルの奴には気をつけろ。何されるかわからないからな。」って。この街ではズボンにシャツにスニーカーが良い人で、ランニングに短パンにビーチサンダルが悪い人ということだ。当たらずと雖も遠からずではあるけど、これは観光客に注意を促すための大げさ目安(笑)。

でもちょっとまって、、、バイーアから移ってきたばかりの僕の格好は正に悪い人だった。「そうそう丁度こんな格好だ(笑)」って笑われた。大丈夫、僕は武器持って強盗したりしないから!!

こんな感じで良い人と悪い人の見分けがつきやすい。更に住んでいる区域もはっきり分かれているため、危険地域とはいえ当たり前の事に注意を払っていれば危険は無い。だいたい危険な目に遭う時は、そこに至るまでの自分の行動に何かしら問題があった場合だ。

日本は良い人も悪い人も同じような格好をして同じ区域にごちゃまぜに生活している。見分けがつかない中での生活が安全か、悪い人が多くても見分けがつく中での生活が安全か、どっちを受け入れられるのかは人それぞれ分かれるところだ。

今の日本は経済格差云々と国内で言われても皆一様に衣服を身に着けているしいろいろな物を持っている。ホームレスと呼ばれる人達でさえ服を着ていろいろな物を持っている。これ凄いことだよ。

さて、できれば皆良い人であってほしい。

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