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ブラジルでボッタくられた時の不快度はどこで決まる?

 
2011-09-29 13:19 Good(0) Comments(0)
in Brazil - ブラジル
グアルーリョス国際空港 - Aeroporto Internacional de Guarulhos

ブラジルで物を買う時には大抵交渉というものが発生する。これはスーパーやレジャー施設、映画館などのようにガッチリとシステム化された場所以外では日常的なもの。

交渉無しの日本の買い物方式に慣れているせいで面倒臭く感じることもあるけど、逆に安い代価で欲しい物を手に入れられるチャンスにワクワクする時もある。

ブラジルにおける大抵の交渉は、お互いに相場を知っている上で、そこを基準に売り手は高く、買い手は安くしようとする。

例えば相場がR$100レアルの物の場合、売り手はR$130レアルなどと提示してくる。買い手はR$70レアルぐらいを提示する。すると交渉はスムーズに進む。

これは適正な交渉の場合だから良いんだけど、たまーーーーにR$10,000レアル(ブラジルはピリオドとカンマの役割が逆だけど、ここでは日本式に準ずる)とか提示してくるバカヤロウもいる(笑)。こういう時に相場を知らずにいるととんでもなくボッタくられることになる。

ボッタくられた時はめちゃめちゃ気分が悪い!!そして自分の馬鹿さ加減にガックリくる。

ボッタクリに遭った時の不快度は、金額そのものではなく倍率によって決まる。

例えば、R$100レアルの物をR$120レアルで買ってしまってもそんなに気にならない。けど、R$1レアルの物をR$2レアルで買ってしまうとショック。

金額にしてみると後者の方が損した金額は小さい。でもムカツキ度は高い。なぜか?それは適正価格の2倍もの金額を払ってしまったから。前者は1.2倍にすぎない。倍率の問題。

ボッタくられた時の気分は倍率で決まる。


初めのうちはこれで良い。何度もボッタくられていくうちに、相場を知るし交渉というものを覚える。僕も沢山ボッタくられた。その中でも今でも記憶に残っているボッタクリ事故がある。

サンパウロ州にあるサンパウロ国際空港ことグアルーリョス国際空港でのこと。

ロビーで観光客等の荷物を運ぶ運び屋にボッタくられた。長くなるから端折るけど、そのボッタクリ事故は僕のいろんな行動の不備が重なった結果だから自分が悪いっていうのは重要な点。そしてどういう状況になったかというと、最終的に僕の手荷物のスーツケース1個とヴィオロン1本を男二人が一つずつ持って30メートルほど運んでUS$100ドル請求されるという事態になった。

ブラジルレアルR$じゃない。アメリカドルUS$。当時の為替レートでUS$100ドルっていったら、レアルにしたらだいたいR$270、日本円にしたら\11,000円ほど。しかも一人に付きUS$100ドルだから、合計US$200ドル。\22,000円なり。

バカヤロウ!!!!

こんなボロい商売あってたまるか!!!!

後々振り返ると(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)こんな感じだけど、その時は笑えなかった。マジ、ポーハだよ。

レストランなんかでは別だけど、こういった単発のやりとりの際のチップなんてブラジルでは大抵はR$1レアルで十分(現在の日本円にして\42円程度)。この場合ならちょっと奮発しても二人合わせてR$5レアル程度でいい。太っ腹に行きたければ一人につきR$10レアルといったところだけど、これは大変なお金持ちの行為。チップなんていうものは本当に微々たる金額が当たり前のものだから。

それが平気な顔して二人でR$500レアル以上も請求してくるんだからびっくりする。何かの犯罪に巻き込まれたのかと警戒してしまうほどの驚き。

それでごちゃごちゃ言い合ってるうちに一人US$10ドルで折り合った。レアル換算でR$27レアル。二人でR$50レアル以上。

・・・負けた。

途中で僕が萎えちゃった。とにかく早く終わらせたい面倒臭いっていう気持ち、いい歳した大人(20歳ぐらいと50歳ぐらいの二人組みだった)がみっともなくてこいつらの顔を見ていたくないっていう気持ち、騒ぎが大きくなって万が一にも怪我したり捕まったりなんていうのも馬鹿らしいっていう気持ちなどなどが合わさって、最終的に合計でUS$20出してその場を終わらせた。

相場を知らないっていうこともあったし、対応の仕方が未熟だったこともあった。だから要らぬ心配をしてしまって交渉とはとても呼べない感じでただただ疲弊してお金をとられてしまった。ガックリ。

この場合は交渉しなければいけない場面でそれが出来なかった僕の方が全面的におかしい。僕がダメなヤツだったってことで、彼らに非は全く無い。

それにしても、相場の270倍とここまで大きくふっかけてきたのは後にも先にもこのサンパウロのグアルーリョス国際空港の運び屋だけだ。貴重な体験をさせてくれたっていう意味では感謝してる(笑)。


このボッタクリ事故だけじゃない。この後ブラジル生活の中でいろんな交渉を重ねるうちに思い知ることになる。

ブラジルでは萎えた方が負け

ってことを。

自分が損をしてでも一歩引いて相手の言うなりにしてその場を収める行動をとると、日本では大人な対応と見られる事が多いけど、ブラジルではただの気違いと見られる事が多い。

いろんんんんな違いがあるから、何でもかんでもっていう訳じゃない。生活すれば感じられるんだけど、、、このへん言葉では伝えにくい、、、悪しからず。基本的には言うべきことはしっかり言え!ということ。エキサイトの仕方が日本人とは違うから、それによって相手が発狂するなんていうことはない。

逆に、日本人がよく使う『他の人もそう思うと思うんですよね』とか『普通は、、、』とか『、、、一般的にはね』などのように、相手の目を見もしないで、自分の言葉の責任をその場に居もしない人間に分散させる卑怯な物の言い方は絶対にダメ。こういう相手の方を見ない態度をとった時は痛い目にあう危険が高まる。きちんと自分の意見としてしっかりと相手に向けて、出所(自分)と目標(相手)を明確にした物の言い方をして自分の気持ちを相手に伝えることが大事。それで大抵のことは上手くいく。

右も左も分からなかった赤ん坊な僕でも、住んで月日が流れれば交渉の第一声で『ふざけんじゃねーよ!頭イカれてんのかてめぇ?!』などとサラッと言えるようになる。日本でいえば『んー、それはちょっと・・・。すいません、もう少しなんとかならないでしょうか?』ぐらいの感覚で。もちろん使う状況をよく見極めて言葉を選ばなければいけない。一発目から適正価格を提示してくる人もいるから。

それに、ごく稀に、いきなり安くまけてくれた値段を提示してくる人もいるし、決められた代金を払ってもオツリとして少し返してくれる人もいる。

これらの状況を見誤らないためには、あらかじめ物の相場を知っていることはとても大事。もちろん一番大事なのは、その人の方をしっかりと見てコミュニケーションをとること。そうすれば相手がどういう気でいるかが分かるから。


ブラジルのボッタクリなんて言い方で話し始めたけど、ブラジル人からしてみればこれはただの交渉。もちろん交渉っていうのは賢さ、頭のよさ、見抜く目、知識、社会性、適切な感覚、人間力の強さなんか諸々を示す材料にもなる。ブラジルではとても大切な行為。

僕はこういう事をコミュニケーションの一環として楽しめるからブラジルはとても居心地が良い。



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