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ナミアゲハの蛹の成長 : 蛹化から6日目

 
2012-06-15 12:53 Good(387) Comments(0)
in Animals - 動物
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae

ナミアゲハの観察、今日で蛹化から6日目を迎える。孵化からは20日目になる。

観察を続けているAは、終齢幼虫の時に落下事故が1回、落下未遂が1回、前蛹(ぜんよう)の時に帯糸くぐりに失敗して落下未遂が1回と、合計3回も命の危機を乗り越えてきてようやく蛹になり、あとは羽化するだけだった。

今日、今朝その蛹を見たら、お腹のあたりから透明な液体がほんの少し出ているのを見つけた。調べてみたら、どうやら寄生虫が出てきた跡らしいことが分かった。

でも蛹の真下の台を見ても、寄生虫、ウジムシの類が這いずり回った形跡がない。幸いにも昨日は拭き掃除をしてなくて、うっすらとホコリが積もっているから何かが這い回ったのならその痕跡が残りやすい状況にある。その状況で確認して何もなかったから、一応今日一日様子を見守ることにしたその約3時間後・・・・。

ヤドリバエの幼虫 - The tachina fly larvae
ヤドリバエの幼虫 - The tachina fly larvae

!!!!

台の上に何か白い物体がある!!!!あーーーーーもうすぐ分かったよ!!遠目で見てもすぐ分かったよ!!こいつは今までに何度も見たことがある。釣りのエサとか、外の放置してある生ゴミの下とか、そういうところで見かけるアレ。

ウジムシ!!

まさに蛹の体の中から出てきて台の上に落ちたばかりという感じで、這い回った跡はまだなく、僕が見つけたと同時にグイグイと活発に動き回り始めた。

このウジムシ野郎っ!!!!

ヤドリバエの幼虫 - The tachina fly larvae
ヤドリバエの幼虫 - The tachina fly larvae

問答無用でそのウジムシ野郎に全力のネリチャギをくらわして前かがみになったところをDDT決めて頭潰して・・・・ってことはないよ。

ただガックリ・・・・。

ガックリ・・・・。

はぁ・・・・。

・・・

こいつも生きるのに必死なだけ。だけど、可愛がっていたナミアゲハの蛹を食い破って出てきたこのウジムシ野郎の成長を見守る気にはなれない!

ウマイメシにはそれだけのリスクがあって当然。ということで、

外にポイッ。

そこから自力で生き延びるならそれでもいい。後は知らない。

まあ、たぶん、、、、生き延びるだろう。うじ虫は強いから(汗)。


Aは孵化から20日目で死亡。

ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae


ナミアゲハの蛹の方は、触覚の部分が折れ曲がって、透明な液体が胸のあたりから滴っているから、ウジムシは蛹の胸あたりから出てきたんだろう。

ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae

で、このウジムシ、ハエだろうことは分かるけど、何だろうと思って調べたら、ヤドリバエという種類のハエの幼虫だと分かった。

ヤドリバエは木の葉っぱに卵を産みつける。それは、こういったアゲハ蝶の幼虫に、葉っぱごとその卵を食べさせて、蝶の幼虫のお腹の中に自分の卵を潜伏させるのが目的。

そうやってナミアゲハの幼虫は、幼虫の頃にヤドリバエの卵を葉っぱと一緒に知らず知らず体内に取り込んでしまうから、こうやって蛹でいる時に体内でヤドリバエの幼虫が孵化して、その幼虫に体の中を食い荒らされて中から食い破られて死んでしまう。

・・・・気づけよ!

僕だったら、サラダ食べてて、仮にその中にイクラが一粒入ってたとしたら気づくよ!

食べている葉っぱの中に寄生虫の卵などの異物があることに気づける感覚を、進化の過程で身に着けていないっていうのが不思議で仕方ない。

多産の方向で種の存続を図ってきたんだろうけど、そろそろ口の中の感覚を磨いてもいいと思うんだ。感覚を磨け!

今回ナミアゲハの幼虫を観察していて、つくづく思ったよ。

ドジすぎる。

僕は最初は自然にまかせるなんて言っていたけど、結局、エサ用にサイパンレモンの木を買って来たし、砂利道に落下したやつを木に戻したし、人工の帯糸を作って蛹の体を支えたし、外敵に襲われないように家の中に移動させたしで、みんなで交代で手塩に掛けまくったにも関わらず、これだけ人間っていう強力なボディーガードがついているにも関わらず!、幼虫の頃にエサに混じって寄生していたヤドリバエのせいで、生き延びることは出来なかった。

厳しい・・・・自然は厳しい。


さて、蛹の変化を振り返る。

前蛹から蛹に脱皮し、それから徐々に体の色が薄茶色に落ち着いていった

下の写真は、孵化から16日目の蛹。生きている頃は明るい茶褐色をしている。

ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae

そして、昨日の段階で、その茶褐色が一層濃くなっているのに気づいた。

特に脇腹のあたりには黒いシミのようなものが目立ち始め、全体的には揚げ過ぎて焦げたから揚げのような外観。

ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae

また、蛹化してから2,3日目までは、外の動き対してピクッと動く反応を見せていたのに、それ以後は全く反応しなくなっていた。

この段階でヤドリバエの卵が孵化して、体内を食われて既に死んでいたのかもしれない。

今日6月15日、蛹化から6日目の早朝、蛹の腹部から透明な液体が出ている状態になっていた。頭を軽くつついてみたけど、蛹に反応はない。

ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae

この透明な液体は、ヤドリバエの幼虫が最初は腹部あたりから外へ出ようとしたものの、何らかの理由で一度蛹の体の中へ戻った際に付いた液体だろう。蛹の体液なのか、ヤドリバエの幼虫が出した液体なのかは分からない。

それから2時間半後ぐらいに、蛹の腹部を軽く押すように触ってみた。その感触は、やや弾力のある硬めという感じ。もちろん蛹は何の反応も示さない。

その30分後、生きているか死んでいるか分からないと思っていた矢先に、蛹の中からウジムシが出てきた。

出てきたウジムシの大きさは、約15mm。

ヤドリバエの幼虫 - The tachina fly larvae
ヤドリバエの幼虫 - The tachina fly larvae

食い破られた蛹の大きさは、約31mm。

ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae

ヤドリバエの幼虫はこの体のサイズだから、ナミアゲハの蛹の中に寄生しているのは1匹だけと思いたいけど、ナミアゲハの幼虫が何個も卵を取り込んでいる可能性はある。

ということで、蛹の死骸を放置しておくと、まだ中に居るかもしれない他のウジが出てくることも考えられるので、早々に埋葬した。

幼虫時代を過ごしたサイパンレモンの木の根元に、一枚の葉っぱと一緒に埋めた。

ありがとう。安らかに。

ナミアゲハの蛹の墓 - The grave of japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹の墓 - The grave of japanese swallowtail butterfly pupae

孵化から20日間に掛けてナミアゲハの幼虫の観察を公開してきて、立派なアゲハチョウの姿になるのを楽しみにしていたけど、このようなとても残念な結果になってしまった。

なんやかんやと気になって疲れるんだけど、目に見える速い変化に驚きながら楽しく見ていられた。

大人の僕でも感じること、初めて知ること、学ぶこと、考えること、沢山あった。きっと子供の頃にこういう蝶の観察をやったら、その子にとってとても大きな糧になると思う。

この夏、またアゲハ蝶が卵を産みに来るかもしれない。それを楽しみに待っている。そうしたらまた観察を始める。

このナミアゲハの観察はこれでおしまい。


孵化から16日目


ナミアゲハの観察のまとめ



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