ブラジルでも日本でも同じようにいろんな放送局があって各局が様々なテレビ番組を放送している。ニュースはもちろん、バラエティ、ドラマ、アニメなどなど。

ブラジル、日本、どちらも見ていると、いろんな違いがあって面白い。

例えば、ブラジルのテレビ放送だとCM（コマーシャル）から番組に移る際、又はその逆の際に、何も映らなくなって何秒間か空白ができることがある。たまーにだけど。

もし日本のテレビ放送でこんな事が起きたら責任問題になりそう(笑)。なぜなら、日本では15秒っていう短い時間間隔で枠を見ているし、テレビコマーシャルにおいては0.5秒単位で構成を意識して制作していて、時間に関しては一部の隙も許さないという意識で放送が成り立っているから。

他にもこんな違いがある。

ブラジルではアニメ番組も放送されている。日本のアニメだったりアメリカのアニメだったり色々。これらは大抵繰り返し放送されている。再放送の繰り返し。日本のTV番組で言うと、水戸黄門や暴れん坊将軍など、同じシリーズを同じ時間帯に繰り返し繰り返しやっている時代劇枠みたいな感じ。

日本の時代劇だと、一応、一シリーズはちゃんと放送するけど（たまに途中から例えば第8話ぐらいから始まることもある）、ブラジルの再放送枠は、ある日突然終わる。放送回が途中なのに終わる。終わって次の日からは何事も無かったかのように新しい再放送番組が始まる。同じ番組の第一話から始まることもある(笑)。見た事が無い番組だと、続きが気になってムズ痒い(笑)。

ブラジルではそんなムズムズを何度も味わった。

ちなみにブラジルで放送されている日本のアニメには、ポケットモンスター、聖闘士星矢（セイントセイヤ）などがあって、アメリカのアニメには、キム・インポッシブル、スポンジ・ボブ、ザ・シンプソンズなどがある。

やっぱり人気スジだなーなんて思いきや、！！日本でも一部の特殊なチャンネルでしか見られないんじゃないかっていうぐらいマニアックな感じのもやっていた。アキバ系？美少女系？ロリ系？萌え系？そんな雰囲気のアニメだった。5秒ぐらいしか見なかったからタイトルも分からないけど(笑)、これには驚いた。アニメ界におけるニッポンブランドは強い。

日本でも洋画劇場やロードショーみたいな番組で映画を放送しているように、ブラジルでもそういった形で映画を放送している。

朝から深夜まで一日中テレビに齧りついていると、複数の局をまたいで3,4本ぐらいの映画を観る事が出来る。

ブラジルのテレビ番組では連続ドラマが多い。とても多い。日本でいうところの、夜の9時や10時に多くやっているような連続ドラマ。

具体的な数を数えたことはないけど、ブラジルではどの時間帯でもテレビをつけるとどこかのチャンネルで何かしらやっている、そんな印象を受けるほどブラジルでは国産の連ドラを日々頻繁に放送している。現地の人も多いと感じていて、ある日僕がそんな話をしたら笑いながらうなずいていた。

連ドラ好きにはたまらない国だと思うよ。

一つの番組、例えば1時間モノの番組でブラジルと日本のテレビ番組の内容の濃さを比較してみると、ブラジルの番組は日本の番組の3～5倍ほどの内容が詰まっている。

ブラジルが特別なのかというとそういうことではない。日本ではアメリカや韓国のテレビ番組を目にする機会が多いからそれらと比較しても良く分かる。日本のテレビ番組の内容が異常に薄い。

今度はもう少し長いスパンで見てみる。例えば、1週間単位で一つの番組、分かりやすいものでいえばニュース等の情報番組を見てみると、これも凄い開きがある。

ブラジルでは一つのニュースは大抵、朝一回放送しておしまい。多くて昼や夜にもう一回といったところ。よほど大きな事件や現在進行中で国民の生活に影響を及ぼすような災害でもない限りは、基本的には同系列で違う時間帯や番組で同じニュースは流さない。その日流したニュースはその日でおしまい。

一方日本では同じニュースを朝から晩まで繰り返し流す。次の日も流す。また次の日も流す。一週間同じニュースがテレビを通して聞こえてくるというのが当たり前。

例えばスポーツニュースでサッカーなんかで『○○選手がゴール！』なんていう情報だと、『！？またゴール決めたのか？！今週キメまくりだなースゲー！！』って思ってしまう。ところが同じゴールなんだ(笑)。まぎらわしい！

こういう状態だから、内容の密度でいうとブラジルと日本のテレビ番組の内容の濃さにはとてつもない開きがあることがはっきり分かる。

日本のテレビ番組は、画面の左上に、時間、天気、右上にロゴ、下に字幕、上や左や右に関連事項といったように、画面の周囲が何かしらのスーパーで埋まっている。テレビの放送スタイルがアナログからデジタルに変わってもこれは同じ。

ブラジルのテレビ番組は、右上や右下に半透明のロゴが表示されるぐらい。基本的にスーパーは無い。

だからブラジルでは画面いっぱいにすっきりと映像を見る事が出来るけど、日本では中央部分しか見る事が出来ない。スーパーが邪魔して肝心な部分を見られなかったということもよく起こるし、"オチ"が先に字幕で出ちゃってて残念な展開になっていることもよくある。

という具合に、国が違えばあれもこれも変わってくる。ブラジルと日本のテレビ放送の状態にはこれだけ違う点がある。もちろん規制、責任、目線、プロパガンダなどなど、ここで取り上げていない事もある。ブラジルには日本人が、日本にはブラジル人が多く居るけど、両国には違うことだらけ。このテレビもそのうちの一つ。こういう違いを見るとそこから色々な事が分かって本当に面白い。

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