BLOG
ブログ

謝らないブラジル人と徹底抗戦したらどうなるか

 
2011-10-28 10:53 Good(0) Comments(0)
in Free Talk - フリートーク, Brazil - ブラジル
バイーアの教会 - Igreja na Bahia

バイーアで暮らし始めて何ヶ月と経っていない間もない頃、とある薬局で買い物をした時のこと。もう何を買ったか忘れてしまったけど、値段は数レアル程度の品物だった。

その時対応したお店の人は、20代半ばぐらいの女性だった。

僕は普通に『○○ある?』と尋ねると、その店員は店の奥からその商品を持ってきて僕に見せて確認した。僕は『いくら?』と尋ねると、彼女は『○○レアル』と答えた。

僕はR$10レアル札を一枚出してお会計をした。彼女はレジをうち、商品とお釣りを僕の方へ出した。

その場でお釣りを確認すると、、、、

合わない。お釣りが足りない。

本当にR$1レアルやR$2レアルといった小額(R$1レアル≒\40円)だったけど、お釣りが足りないことに気付いた。個人の物売りから大型スーパーまで、ブラジルではR$1レアルより小額のセンターボスを切り捨てることは普通にあることだけど(日本じゃ考えられない(笑))、数レアル程度の商品に対してR$1レアルやR$2レアルといった単位で切り捨てることはない。

だから僕は言った。『ちょっとちょっと、お釣り足りないよ』って。

そうしたらその店員の彼女は、『その商品は△△レアルなんだよ』って言ってきた。

ん?最初に言った値段と違う。

買う前に商品の確認をした時に彼女が言った値段と、会計をした時の値段が違った。普段なら『あーそうなの』で終わる程度のこと。だけど、ふと閃いた。この状況は、『言葉の勉強になる』

机の上の勉強や、マンツーマンレッスンだとこういったハプニングのケースは体験できないし、この場合、お金がらみの単語+α程度知っていればやり取りが可能ということで、ブラジルポルトガル語初心者にとっては願っても無いチャンスだった。単に言葉というだけじゃなく、ブラジル人の会話、間合い、気質、そんなところを自分の肌で感じて体験できるんだから、これを逃す手は無い。

そういう訳で、『最初に○○レアルって言ったはずだよ。おかしいよ。』と絡んでみた。

なんと厄介な客(笑)。僕の頭の中はただただ『言葉の勉強をするチャンス!』ということだけだったけど、普通にめんどくせー客に見えていただろう、、、ということは置いておいて話を進める。

すると彼女は『これは△△レアル』と繰り返し言ってきた。僕は食い下がる。すると、彼女は紙とペンを持ち出して、値段を紙に書いて見せた。

言葉が分からないと思ったんだろう。けどそうじゃないから、『言った事は分かっている。単純に値段が違うって話だ。だからお釣りが足りないよ』ってことを伝えた。

流石にそう言えば『あーごめん。私が値段を間違えた。』と謝るだろうと思っていたら、なんと彼女はペラペラペラ~と早口で攻撃的にまくしたててきた。現地人同士が口論をしている時の話し方だ。こうなるとまったく分からない。

母国語以外の言語を学んで実際に現地で使うとこういう事に出くわす。自分と相手とマンツーマンで会話している時は、相手の言葉をよく聞き取れて意味も難なく分かるのに、その相手が別のネイティブと会話している所に出くわすと、まったく話していることを理解できなくなるとういう状況。

日本語に置き換えてみると分かりやすい。友達と話す時って、とても乱雑な言葉を使っている。意識しないでもそうなっている。『ってゆーかさー(というより)』とか『やってんだよ(やっている、している)』とか、そういう雑な言葉を沢山繋げて会話をしている。だけど、言葉がつたない人に対しては、そういう言葉を使わないようにして話をする。自分に対して話している時は、相手はそうやって気遣って話してくれているんだけど、それに気付かないでいると自分の言語能力を誤認してしまう。

謝るどころかそんなネイティブな話し方に突然切り替えられてしまって、『むっ、くそっ、そうきたか』って気持ちになった。もしかしたらこのまくしたてている中で自分のミスだという意味合いの事を言っていたのかもしれないけど(いや言ってないだろうな。こういう時は言い訳をしている場合が殆ど(笑))、明らかに悪びれてない態度に、僕はそれを一応聞いているふりをしながら、彼女がもってきた紙とペンを使って、『最初に言った安い方の値段で売りなよ』ともう少し突っ込んではっきりとした言い方で伝えようと思って、最初の値段と後の値段を書き始めた。と、その時、、、。


僕の横に居た別のお客さんが突然話に入ってきた。70歳ぐらいおじいさん。歳をとってはいるけど、姿勢も良いし意識もシャキっとしている。彼は僕が使っていたペンを取って同じ紙に、計算式を書き始めた。

10 - 3 = 7

そんな感じの簡単な式。払った金額、マイナス、商品の金額、イコール、お釣り、ということを意味している。

んなこと分かってるっ!!!!

『俺が教育を受けられずに育ったように見えたってことかよー!』って心の中で大爆笑してしまったのを必死に押し殺しながら、『そういう話じゃなくて、店員の彼女が提示した値段と会計の値段が違ってるんだけど、彼女(店員)がそれを認めないんだよ』っていう事を伝えた。勿論、彼女にもはっきり聞こえていて、彼女はムッとした顔つきで黙って立っている。謝る気は無いって感じの雰囲気。

するとその彼は納得して黙った。彼は僕が計算ができなくて勘違いして店員に絡んでいると思ったようだ。

もう十分。こんな二次的ハプニングもあって十分、言葉、やり取り、気質、間合い等の勉強を出来た。だから、終わらせるために話を切り出した。

『だから、あなた(店員)が最初に金額を勘違いして僕に伝えた。あなたが間違えた、ということだよ。わかるよね?あなたが間違えた。』とはっきりと相手を責める物の言い方で言ったら流石に認めざるをえなくなって終わると思ったら、、、彼女の顔に一層力が入って口をギュッと結んでへの字にしながら仁王立ち。返す言葉がなくなってプルプルしているんだけど、それでも『ごめん』とは言いたくないようだ。

ブラジル人って本当に謝らないんだなぁと、この時初めて身をもって感じた。『あ、ごめん、間違えたよ』と言って済む小さい事なのに、そんなことですらまず素直に謝ろうとはしない。もちろんブラジル人みんなが皆そうという事では全くないけど、彼女はウワサに聞いていたブラジル人の気質の一面を露骨に見せたから驚いた。

日本なら第一声が『すいません』という謝罪から入ることが多いから、こんな問題はまず起きない。というより、そもそも通常こんな事で絡まない(笑)。

そういう訳で、謝らないブラジル人と徹底抗戦すると、、、、やっぱりそれでも謝らない。

僕は話を簡単にまとめて、『もういいからね』という事を伝えると彼女の沸騰しそうだった顔は少しゆるんで体裁を取り繕う感じになったから、それで終わりにして立ち去った。

ブラジル人は謝らない、すぐに言い訳をする、というのも気質というざっくりした捉え方としては正解なんだけど、そういう風に構えてしまうと該当しないブラジル人と実際に接する際にはとても失礼だから、ブラジル人が謝らないということじゃなくて、謝らない奴はとことん謝らないというふうに捉えている。だから潜在的にそういう面を持っている人が多いということを頭の片隅に置いておく程度にして、決して色眼鏡で見ないで、一人一人違う自分と同じ人間としてフラットな気持ちで接している。問題の態度がチラッと見えたら、『ぉっ、きたな(笑)』と思って対応すればいい。

そのうち、ミスした人に対しては相応のペナルティを科せばいいだけの話であって、『謝らせる』という行為は単なる自己満足でしかないことに気づく。

そして自分に非が無い状態で口論になった場合は、相手を追い詰めるんじゃなくて、逃げ道を一つ残しておいて、そこに誘導するような話し方をすると、いろいろ上手くいくしお互い気分よく終われる。落とし所すら無くして相手を追い詰めるのは、人をねじ伏せる事に快感を感じる変態野郎がすること。『相手の為を思って…』等と言う建前はよく聞くけれど。

とにかくよく会話をするブラジル人と四六時中接していて本当によく分かった。気質、考え方、切り口、物の見方、こういった物が民族によっていろいろ違う。これに体験しながら気付いていけなかったら、この後リオ・デ・ジャネイロのコパカバーナに引っ越してから、ドゥルヴァルとの楽しい思い出を持つことは出来なかっただろう。


最後に一言。ブラジルでも日本でもどこの国でも、
こんな小さな事でいちいち店員に絡むな!



身近な人の「攻撃」がスーッとなくなる本
Amazonで見てみる
小学校6年間の算数が6時間でわかる本
Amazonで見てみる


この記事を気に入ったら下の【Good】ボタンを押そう。
0
このエントリーをはてなブックマークに追加
Sponsored Links

Leave a Comment - コメントを書く

Name(required) - Nome(obrigatório) - お名前(必須)
Email(required, will not be published) - Email(obrigatório, não será publicado) - メールアドレス(必須、非公開)
URL - ウェブサイトURL
Comment - Comentário - コメント

Type the code from the image. - Digite o código exatamente como na imagem abaixo. - 下の画像の英数字を入力してから【確認】ボタンを押して下さい。

オリジナル曲弾き語り



Sponsored Links
Recent Comments
最新のコメント
  • そる: 初めまして。随分前の記事にいきなりのコメント投入、失礼します...


  • Laura Mendel: Dear Sir,Your crow pictures ar...


  • masahiro: この記事わかりやすくてとても参考になりました。一週間ほど前か...


  • Kaaatsu: はじめまして。ペンタQから60D入手の流れが自分と一緒で、嬉...


  • SeikoSaizan: はじめまして。お世話になります。スナップ撮りを中心にPENT...


  • bamboo: 写真入り助かります!!


  • 田中敏充: 初めまして。私もQを使っていまして、画質などに関する感想は主...


  • cyclops: ほかの関連する記事も見ましたが、とても参考になりました。


  • 白井賢人: はじめまして。凄く楽しい写真ありがとうございます。2012年...


  • 白井賢人: ムケカは二回、渋谷で食べたことがあります。トゥッカーノという...


Sponsored Links