僕はこいつを見るとニヤッとしてしまう。ロック小僧御用達の超強力なエフェクター。

このBOSSから発売されたMetal Zone MT-2は、とにかく歪む。歪んだ音とは、ハードロックやヘビーメタルで聴かれるようなギターの音。

バカかっ！ていうぐらい強烈に歪むから、その馬鹿さ加減が楽しくて嬉しくてついニヤッとしてしまう。

エフェクターっていうのは、音色をいろいろと変える機械の総称。このメタルゾーンもそのエフェクターの一つで、歪んだ音色を作ることができる機械。エレキギターを弾いている人は、いろんなタイプのエフェクターをいくつか繋いで、自分の好みの音色を作り上げている。

このメタルゾーンは、僕が10代半ばに使っていたエフェクター。デスクの引き出しの中に大切にしまってある。

大切にしまってあるんだけど、箱が無い。僕は音楽関係の機材は箱まで綺麗に保管しておくんだけど、このメタルゾーンの箱は無い。箱が消し飛ぶほど強力ってことで納得している(笑)。

このエフェクターは今も販売されているのか分からないけど、僕が使っていた頃はメタゾーって呼んでいた。訳も分からずとにかく歪みを求めていた時にこいつに出会った。歪みに飢えていた僕を十二分に満たしてくれた(笑)。

ちなみにエフェクターを買えなかった頃は、ヘッドフォンを繋いで大音量で流して歪ませて、そこから漏れ聞こえる音で遊んでいた。この音、CDから聞こえてくるかっこいい歪みギターの音に割と似ていたから、子供だましとしてはとても優秀な技だった。

このメタゾーを使ってエックス（現X Japan）、ジギー、ボーイ、エクストリーム、ミスター・ビッグ、レーサー・エックス、イングヴェイ、スティーヴ・ヴァイ、パンテラ、カヴァーデイル・ペイジ、レッド・ツェッペリン、ホワイトスネイク、ディープ・パープル、レインボー、ジューダス・プリースト、ヴァン・ヘイレン、ロッド・スチュワート、ストラト・ヴァリウス、ハロウィン、メタリカ、ラウドネス、ガンズ・アンド・ローゼズ、モトリー・クルーなどなどなどなど、、、だれそれ構わず貪り食ってた。

今となっては曲を一つも思い出せないバンドもあるけど(笑)、どんなバンドやギターリストの曲でも多かれ少なかれ大抵はメタゾーを通していた。『とりあえずメタゾー』だった。歪んだ音が好きだったし、メタゾーを使ってることが面白かったから。

コンパクトエフェクターだった割に、周波数などいじれる部分があって、これをいじるのもまた楽しさの一つだった。

当時は音を聴き分ける耳も持っていなかったし、体験がともなった知識も持っていなかったから、全く使いこなせていなかった。難しい事は考えずにただ使って遊んでた。それでも、一つ苦戦していたのは覚えている。

音の粒立ち。

有名なギタリストたちの音を聴くと、歪みながらも音の粒立ちがはっきりしている。そんな音にしたくて他のエフェクターを繋いだりして試行錯誤していた。でも結局、満足のいく音には出来なかった。

今はヴィオロン演奏の時に使うことはもちろん無い(笑)。でもその他の音楽制作には使えるから大事にとっておいてある。単体のエフェクターを使って音を作り込むのはちょっと時間がかかるし、POD PROみたいなシミュレーターなんていう便利なものもあって、それで済ませてしまうことが多くて長い間使っていないからちゃんと音が出るか分からないけど。

このメタゾーには10代半ばにバンドを通して知り会ったいろんな人たちとの思い出が詰まってる。久しぶりに手にとってみて、いろんな事を思い出して楽しかった。

メタルゾーンの音の試聴

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ついでといえばついでに、久しぶりに取り出したから無水エタノールと綿棒でメタゾーを掃除した。

残念ながら底のパネルを外すことが出来なかった。底のパネルを止めている4つのネジのうち、3つが動かなかった。ねじ山が潰れるのも嫌だからそっとしておいた。

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