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ナミアゲハの観察2のまとめ

 
2012-08-09 20:09 Good(8) Comments(0)
in Animals - 動物, How to - ハウツー
ナミアゲハの羽化 - The japanese swallowtail butterfly emergence
ナミアゲハの羽化 - The japanese swallowtail butterfly emergence

6月30日から8月1日までの33日間に渡って二度目のナミアゲハの観察を行った。その『ナミアゲハの観察2』の内容を整理する。

『成長の過程』、『所要時間のまとめ』、『気付いた点』、『気をつけるべき事故』、『心配になるけど大丈夫な行動』、『ナミアゲハの観察記録一覧』の順にまとめている。


成長の過程

産卵初日。(6月30日)詳細

ナミアゲハの産卵 - The japanese swallowtail butterfly laying eggs
ナミアゲハの産卵 - The japanese swallowtail butterfly laying eggs
卵の直径:1.2mm
ナミアゲハの卵 - The japanese swallowtail butterfly egg
ナミアゲハの卵 - The japanese swallowtail butterfly egg
産卵から5日目。孵化初日。(7月4日)詳細
幼虫の体長:2mm
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
産卵から10日目。孵化から6日目。(7月9日)詳細
幼虫の体長:9mm
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
産卵から17日目。孵化から13日目。(7月16日)詳細
幼虫の体長:24mm
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
産卵から18日目。孵化から14日目。(7月17日)詳細
幼虫の体長:24mm
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
産卵から24日目。孵化から20日目。(7月23日)詳細
幼虫の体長:45mm
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
ナミアゲハの幼虫 - The japanese swallowtail butterfly larvae
産卵から25日目。孵化から21日目。(7月24日)詳細
蛹の体長:30mm
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
産卵から33日目。孵化から29日目。(8月1日)詳細
成虫の開長(横幅):110mm
ナミアゲハの羽化 - The japanese swallowtail butterfly emergence
ナミアゲハの羽化 - The japanese swallowtail butterfly emergence

所要時間のまとめ

ここで載せている各所要時間は、今回のこの観察から分かったものであり、大雑把に数値化しているものであって、ナミアゲハの一般的な生態を表すものではない。あくまで、一例として飼育の際の参考にして欲しい。

成虫(親)が葉っぱに取り付いてから、産卵するまで、

2秒。

産卵から、孵化まで、

104時間(4日と8時間)。

産卵から、羽化まで、

763時間(31日と19時間)。
ちなみに、最速の成長を見せた個体は 549時間(22日と21時間)だった。

1齢幼虫から、終齢(5齢)幼虫になるまで、

300時間(12日と12時間)。

終齢幼虫になってから、前蛹になり始めるまで、

6日。

終齢幼虫になってから、蛹になり始めるまで、

7日。

孵化してから、蛹になり始めるまで、

526時間(21日と22時間)。

終齢幼虫になってから、大移動開始まで、

151時間(6日と7時間)。

大移動開始から、前蛹になる場所を決めるまで、

1時間。

前蛹になってから(前蛹になる場所を決めてから)、蛹になり始めるまで、

26時間。

脱皮が始まってから、終わるまで、

5分。


気付いた点

めての観察の時に『暴食期』があると書いたけど、今回の観察対象にそれは見られなかった。この個体は1齢の時からずっと若葉だけを食べて育っていて、食べる量や成長の具合が安定しているようだった。

また、新芽だけを食べて育った別の個体は、5齢になっても食べる量が爆発的に増えることはなかった。終齢になってモリモリ食べるというより、普通にのんびり暮らしてるっていう感じで、終齢になってからたったの2日半で前蛹になった。

他の15匹ほどの個体も含めて見ていて気づいたのは、終齢になった時に極端に食べる量が増えるのは、1齢から4齢の時に食べるのに時間が掛かる硬い食草しか食べられず、比例して食べる量が少なくなってしまっていた個体。

新芽や若葉のように食べやすい(早く食べられる)柔らかい食草を思うように食べられていた個体は、比例して食べる量が前者の2倍から3倍になり、成長のスピードも速く、終齢になるまでに十分な栄養を蓄えられているため、それまでの食べる量と比べても目に見えて分かるほど食べる量が増えるということはないように見える。


化したばかりの成虫は、しっかり休ませることが大事。

5分程度で羽が概ね伸び、1時間もすると大きく広げて時折羽を動かすようになるけど、その時点ではまだちゃんと飛ぶことは出来ない。

ここで周りにいる人間が蝶を脅かすような行動をとってしまうと、ちゃんと飛べないにもかかわらず驚いて逃げようとして無理やり飛び立って落ちてしまう。

元気良く飛んでいけるまであと少し。いらぬ事故を起こさないように注意して、2時間を目安に静かに休ませることが大切。

羽化から1時間ほどで排泄を行い、2時間ぐらい経つとちゃんと飛べるようになる。中には3時間も4時間も休んでいる個体もいるけど、2時間以上経てば飛べるはずだから、自然に飛び立つまで時間的に見ていられないという場合は外に放しても大丈夫。


化した成虫は飛び立つ前に排泄をする。かなり大量にするから、絨毯や畳の上など汚れては困る場所で羽化を見守っている場合は、下に紙などを敷いておくことを勧める。

ナミアゲハの羽化 - The japanese swallowtail butterfly emergence
ナミアゲハの羽化 - The japanese swallowtail butterfly emergence

排泄は2回から4回行われ、1回目は脱皮の時で、体が半分ほど出たところで蛹の殻の中にする。2回目は羽化から45分から1時間ほど経ったぐらいで、羽を大きく広げるウォーミングアップのような行動をとるのと同時にする。2回目までは茶色い排泄物で大量。

個体によっては、この後飛び立つまでに3回目をし、飛び立つ直前に4回目をする。これは白い半透明な排泄物で量は少ない。


ミアゲハの幼虫は人に慣れる。(たぶん)

孵化した時から傍にいると、たぶん幼虫たちは近くにいる人のことを害の無い物体だと認識して警戒を薄くするのかもしれない。指でお尻を押そうが、頭を触ろうが、体を撫でようが、木から落下した時に拾い上げようが、臭覚を出すことがまずない。

拾い上げる時になかなか上手くいかずにグリグリ弄り回す感じになってしまうと、たまーーーーーに出す奴はいる。けどその程度。

また、羽化したばかりの成虫も人に慣れる。

蛹から出てきた時から傍にいると、その近くを立って歩こうが急な動きをしようが、割り箸にぶら下がって飛び立つ準備をしている蝶は何も反応を示さない。

ところが、羽化した時から傍にいない人間が不意に近くにくると(部屋に入ってきたりすると)、まだ羽が伸びきっていない時であってもちょっと移動したり体の向きを変えたり、まだちゃんと飛べないのに飛んでしまったりする。あからさまに警戒しているのが分かる行動を見せる。


気をつけるべき事故

1匹だけ羽化不全を起こしてしまった個体がいる。推論の域を出ないけど、羽化するタイミングに見ていられたら、蛹の皮を自力で破れないことに気づいて助けられたかもしれない。

どのぐらいの確率で起きるものなのか分からないけど、羽化する時間帯には出来るだけ見ていることを勧める。


っぱり事故で一番多いのは自ら木から落ちてしまう落下事故。

1齢から4齢までの幼虫でも落下することはあるけど、特に多いのは終齢幼虫。

葉っぱから葉っぱへの移動に失敗して落ちてしまったり、食べるのに夢中で葉っぱの先端まで行き過ぎて戻れなくなって落ちてしまったり、小さな虫が体に止まったり何かが体に当たったりして、それを振り払おうとお尻や上半身を左右にプイップイッと激しく振った勢いで落ちてしまったり、自重が重過ぎて張り巡らせている足場の糸ごと外れて落ちてしまったりする。

いっそ終齢になったら外で自然飼育するのは止めて、枝ごと切って籠に入れてしまうと楽だと思う。枝の切断部分に濡らしたティッシュを巻いておくと葉っぱが長持ちする。


心配になるけど大丈夫な行動

生虫の一つアオムシコバチの姿を何度か見かけた。幼虫の体に取り付いている所を3,4回ほど見かけ、その都度追い払っていた。

アオムシコバチは人の動きに結構敏感に反応するため、なかなか仕留めるのは難しいんだけど、2,3匹は潰したり叩いたりして駆除することが出来た。

このようにアオムシコバチを見かけていたから、15匹ほどもいる幼虫の5匹ぐらいは寄生されてるだろうと覚悟していたんだけど、結果はゼロ!1匹も寄生されることなく羽化できた。

このように、アオムシコバチが幼虫に取り付いている所を見かけたからといって、必ずしも寄生されてしまったとは限らない。諦めず見つけた時に追い払って幼虫の成長を見守ることを勧める。


蛹になる時に、水槽の側面にくっついたまま頭頂部を何度も壁に擦り付ける、何も無いのに突然臭覚を出す、ビクッと驚いたように上半身を持ち上げて反り変える、上半身をよじってもがく、といったように、どう見ても苦しんでいるようにしか見えない奇怪な行動をとる個体が1匹いた。

特に頭頂部を擦り付ける行動は、『ズリズリッ』って音がするほど強く擦り付けていて、頭頂部が汚れて茶色くなるほど激しくしていた。

こんな行動を見るのは初めてだったから、上に書いたようなアオムシコバチにでも寄生されていて、そのせいで行動がおかしくなっているのかと心配していたんだけど、その個体は無事に蛹になって羽化して大空へ羽ばたいていった。

結局あの行動は何だったのか分からずじまいだけど、無事に成虫になれたから、同じような行動を見ても望みを捨てずに成長を見守ることを勧める。


糸は強い!蛹の体を支えている帯糸は見かけによらず強い。

蛹を壁から引き剥がそうと、蛹の胴体を持ってひっぱっても簡単には取れないほど。だから、前蛹から蛹になる時に個体が強く体をよじったりして動いて帯糸が切れそうに見えるけど、あれは全然大丈夫なんだと分かった。


には帯糸くぐりを上手にできずに、壁から落下してしまう個体がいる。

落っこちたからといって死んだわけじゃない。そうやって落ちてしまった個体は、優しく拾い上げてティッシュの上に寝かせておけば、そのまま前蛹になり、横になったまま脱皮して蛹にもなる。

ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae
ナミアゲハの蛹 - The japanese swallowtail butterfly pupae

ただ、蛹の体の形からして自然に横に寝かせておけばそんな事態にはならないはずだけど、一応、両脇にある呼吸するための気門という部分が塞がる格好にはなっていないことに気をつける必要がある。

蛹になって4,5日ほど経つと蛹がしっかりしてくる。そこで割り箸に木工ボンドを微量付けて蛹のお尻の先端部分だけを接着し、乾いたら裁縫糸を帯糸代わり蛹の体を固定すると、ちゃんと羽化できる。

ナミアゲハの羽化 - The japanese swallowtail butterfly emergence
ナミアゲハの羽化 - The japanese swallowtail butterfly emergence

落ちたらそのまま寝かせておく、でOK!

落下したナミアゲハの蛹の救出方法はこちら


から落ちる終齢幼虫がいる。葉っぱを食べていてうっかり落ちてしまったのなら、そのまま木に戻せばまた食べ始めるけど、特に葉っぱを食べる様子もなく、下痢便もしていないから大移動でもないのに、木を歩き回って落ちたり木から下りてくる個体がいる。

今回の観察では約15匹いたうちの4,5匹にそんな行動が見られた。

そういう個体は木に戻してもまたすぐ落ちるか下りるかしてしまうから、別の容器に移して一晩様子を見る。

そこで下痢便をしてそのまま前蛹になる個体もいる。

何も変化が無い個体はまた木に戻す。また同じ行動を繰り返すようなら、今度は食草と一緒に別の容器に移して、行動が落ち着くまでそこで飼育する。

こういう行動をする個体は必ずしも大丈夫とは言えない。このうち2匹が弱って死んでしまった。

落ちて行方不明になると餓死するしか捕食されるしか道はないから、保護して様子を見てみるんだけど、助かる確率は約60%といった感じ。


蛹から脱皮して蛹になる時に、前蛹の皮がお尻の部分に残ったままになってしまっても大丈夫。1匹だけそういう個体がいたけど、元気に羽化して飛んでいった

ナミアゲハの羽化 - The japanese swallowtail butterfly emergence
ナミアゲハの羽化 - The japanese swallowtail butterfly emergence

ナミアゲハの観察記録一覧

産卵初日 ナミアゲハがレモンの木に卵を産み付けにきたところ。

孵化初日 生まれた幼虫の様子。

孵化から6日目 3齢あたりの幼虫の様子。食べる葉を選ぶ。

孵化から13日目 4齢幼虫の様子。レモンの木からサイパンレモンの木へ引越し。

孵化から14日目 終齢幼虫へ。成長不良の個体。

孵化から20日目 脱皮事故。定位置の変化。

孵化から21日目 食の変化。暴食期間へ突入。

孵化から29日目 落下事故。鳥の強襲による死亡事故。

ナミアゲハの観察2のまとめ このページ。


同時に観察していた15匹程度の個体の様子。

ナミアゲハの観察2 : 番外編 最速で成長をする個体、最速で孵化する個体、3齢から4齢への脱皮の様子。

ナミアゲハの初めての羽化 最速で成長を遂げた個体の羽化の様子。

なかなか見られない!ナミアゲハの羽化 羽化から飛び立つまでと、成虫の雌雄判別。

今日は4匹のナミアゲハが羽化した 人工的に羽化の準備をした個体たちの羽化、蛹の殻の解剖など。

今日は3匹のナミアゲハが羽化した セロテープで固定した蛹の羽化、殻にヒビが入る所からの羽化の様子。

最後の2匹のナミアゲハが羽化した 羽化不全の個体の様子。

ナミアゲハの羽化不全 羽化不全の詳細。


1回目、初めての観察の様子。

ナミアゲハの観察のまとめ



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おまけ。

まさかこんなに大量に羽化できるとは思わなかった。初めての観察の時に2匹とも死んでしまったから、今回も15匹以上いる中から2,3匹でも羽化までたどり着ければ良いほうだと思って成長を見守っていた。

本当に良かった。

今、祖師谷の空にはヤス宅出身のナミアゲハたちがウヨウヨ飛んでいるよ。外を歩いていてナミアゲハを見かけるとなんだか不思議な気分になる。

今年はこれで終わりかなと思いきや、最近また孵化したのが2匹いて、今2齢か3齢。もう1匹いたんだけど、1齢の段階で行方不明。たぶんハエトリグモの類に捕食されたかもしれない。

この夏はもう少しナミアゲハの成長を見て楽しめる。

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